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マッサージや手術も?リンパ浮腫の外来治療でできること

リンパ浮腫の症状が生じたら、早めに専門医に診てもらうことが大切です。

「リンパ浮腫ができている気がする……。」
「具体的にどんな症状が出る?」
「受診を検討しているけど、どんなことができるの?」

と考える方もいるのではないでしょう。

今回は、リンパ浮腫の概要や外来でできる治療について解説します。がん治療後のむくみで悩んでいる方は参考にしてみてください。

リンパ浮腫とは

リンパ浮腫とは、このリンパ液が何らかの原因でたまってしまうことにより、手や足がむくんでいる状態のことです。

原因と種類についても確認していきましょう。

リンパ浮腫の原因

私たちの皮膚の下にはリンパ管という細い管があり、中にはリンパ液という液体が流れています。

がんの手術でリンパ節を切除したり、放射線の治療でリンパ管が閉塞したりすることで生じるケースが多いといわれています。(続発性リンパ浮腫)

原発性リンパ浮腫と続発性リンパ浮腫

リンパ浮腫には、「原発性リンパ浮腫(一次性リンパ浮腫)」と「続発性リンパ浮腫(二次性リンパ浮腫)」の2種類があります。

それぞれの特徴をお伝えしていきます。

原発性リンパ浮腫(一次性リンパ浮腫)

原発性リンパ浮腫とは、リンパ管やリンパ節の形成・発育不全などによって生じるリンパ浮腫です。

人によって発症時期は異なり、現在は以下3つの型に分類されています。

  • 先天性リンパ浮腫(1歳未満)
  • 早発性リンパ浮腫(1~35歳)
  • 遅発性リンパ浮腫(36歳以上)

個人差がありますが、手先や足先から中枢側に向かって進行しやすいです。

続発性リンパ浮腫(二次性リンパ浮腫)

続発性リンパ浮腫とは、先述したがんの手術や放射線治療などによって発症するリンパ浮腫です。

個人差がありますが、手術で切除したリンパ節の周囲から手先や足先に向かって進行していきます。

がん手術の後に必ず発症するものではありませんが、手術をしてから10年後に発症することもあります。そのため、手術後にむくみが見られなくても日常生活でケアを行う必要があるのです。

リンパ浮腫の症状

リンパ浮腫をそのままにしていると症状が悪化していきます。早期発見・治療を行い、重症化を防ぐことが大切です。まずは、どのような症状が発生するのか把握しておきましょう。

国際リンパ学会によるリンパ浮腫の病期分類

国際リンパ学会は、リンパ浮腫を以下のように分類しています。

0期 リンパ液輸送が障害されているが、浮腫が明らかでない潜在性または無症候性の病態。
Ⅰ期 比較的蛋白成分が多い組織間液が貯留しているが、まだ初期であり、四肢を挙げることにより軽減する。圧痕がみられることもある。
Ⅱ期 四肢の挙上だけではほとんど組織の腫脹が改善しなくなり、圧痕がはっきりする。
Ⅱ期後期 組織の線維化がみられ、圧痕がみられなくなる。
Ⅲ期 圧痕がみられないリンパ液うっ滞性象皮病のほか、アカントーシス(表皮肥厚)、脂肪沈着などの皮膚変化がみられるようになる。

 

0期からⅢ期まで分類されており、徐々に進行していきます。0期は無症状ですが、リンパ浮腫のリスクがあります。

主な症状

主な症状

ここからは、リンパ浮腫の主な症状を段階別にわかりやすく紹介していきます。

早期
  • 皮膚を指で押すと指の跡がつく
  • 皮膚をつまんでもしわが寄りにくい
  • 夕方に悪化するが朝起きると良くなる
  • 重い感じがする
中期
  • むくみが生じる
  • むくみを指で押すと跡がつく
  • 重い感じがする
  • だるい
後期
  • 固くなり、指で押しても凹まない
  • 夕方に悪化し、朝起きてもほとんど変化がない
  • 関節が曲げにくい
  • 毛深くなる

 

最初に違和感を感じる場所は、人によって異なります。続発性リンパ浮腫の場合、手術で切除したリンパ節の周囲から始まることが多いです。

ワキの下のリンパ節を切除した場合は、切除した側の腕や胸、背中に。足の付け根のリンパ節を切除した場合は、切除した側の足や恥骨前部、お尻の外側にリンパ浮腫が生じやすいです。

合併症

リンパ浮腫が重症化すると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの症状が見られるようになるため早期発見・治療が重要です。

蜂窩織炎になると、炎症によって赤みや熱が発生し、数時間のうちに40度近い発熱が出ることもあります。蜂窩織炎の症状が生じている場合は、リンパドレナージや圧迫療法などの保存的治療をしてはいけません。日常生活への支障が大きいため、すぐに病院へ行きましょう。

治療で落ち着きますが元に戻りにくいため、適切な治療を早めに行うことが大切です。

「むくんでいる気がする……」と思ったら早い段階で医師に診てもらうと良いでしょう。

リンパ浮腫外来でできる治療① リンパトレナージ

外来治療の一つであるリンパドレナージとは、一般的なマッサージとは異なるリンパ浮腫専用のマッサージです。基本的には手先や足先から心臓に向けて優しく擦るように行い、リンパ液の流れを良くしていきます。

専門家に行ってもらう「用手的(ようしゅてき)リンパドレナージ」と自分で行う「シンプルリンパドレナージ」があります。

リンパドレナージは、完全に治す治療ではなく、いくつかの治療と組み合わせて行う治療法です。

リンパ浮腫外来でできる治療② リンパ浮腫の手術

リンパ浮腫には、以下のような手術があります。

  • リンパ管静脈吻合手術
  • リンパ節・リンパ管移植手術
  • 脂肪吸引術

外来でできるのはリンパ管静脈吻合手術で、あとの2つは入院が必要です。それぞれの詳細を見ていきましょう。

リンパ節移植手術は、むくみのある腕や下肢に、他の部位で正常に機能しているリンパ節を移植する手術です。この手術は全身麻酔で行うことが多いため入院が必要です。また、症状の進行度合いに応じて、脂肪吸引や皮下組織の切除などの減量手術を併用することもあります。

いずれも高度な技術を要する治療であり、患者様への負担も大きくなりますので、診断の際に医師とよく相談して最適な治療を選ぶ必要があります。

リンパ浮腫の手術に関して詳しくはこちらをご覧ください。

リンパ管静脈吻合手術

リンパ管静脈吻合手術とは、リンパ管と静脈をつなぐ手術です。作成した新しい通り道にリンパ液が流れていきます。

病院によって「局所麻酔か全身麻酔か」「外来か入院か」は異なるため、確認が必要です。手術後も圧迫療法を続ける必要があります。

また、リンパ浮腫の進行状態によって効果が異なり、早期なほど効果が高く、リンパ浮腫が悪化している場合は効果が少ない傾向にあります。

リンパ節移植手術

リンパ節移植手術とは、健康な部位のリンパ節を周囲の脂肪組織・血管と一緒に採取し、リンパ浮腫が生じている箇所に移植する手術です。

健康なリンパ節を移植することで、停滞しているリンパ液を排出し、むくみを改善させます。

リンパ管がダメージを受けて、リンパ管静脈吻合手術ができない場合に行われる手術です。ただし、一般的に治療の効果は、術後1年以上経ってから現れるといわれています。また、リンパ節などを採取するため、侵襲的な手術ともいえるでしょう。

全身麻酔を使って手術を行い、入院する必要があります。

脂肪吸引術

リンパ浮腫が進行すると、脂肪の増加・肥大化が起こります。脂肪吸引術は、脂肪のボリュームを減少させるための治療法です。手術の方法は病院によって異なります。

脂肪吸引術のリスクは、手術後に腫れが長引いたり、リンパの流れが悪くなったりする可能性があることです。脂肪吸引術は、リンパ浮腫が重症化している場合に慎重に行われます。術後も継続的に圧迫療法が必要です。

そのほか外来で行うリンパ浮腫の治療

ここまで、外来で行う治療としてリンパトレナージとリンパ管静脈吻合手術について紹介してきました。

ここからは、そのほかの外来治療についてもお伝えします。

圧迫療法

圧迫療法とは、専用の道具を使って圧力をかけ、むくみが軽減された状態を維持する外来治療です。弾性ストッキングなどの弾性着衣を使う方法と弾性包帯を使う方法があります。

一般的には、症状が軽度な場合は弾性着衣を、またむくみが進行している場合は弾性包帯(多層包帯法)を行い、状態に応じて組み合わせることもあります。

適切な治療を行うためには、体のサイズに合った弾性着衣を選択し、弾性包帯についても正しい巻き方などの知識が必要です。圧迫療法が適さない場合もあるため、リンパ浮腫治療の経験が豊富な医師から定期的に指導を受ける必要があります。

セルフケア・日常生活の指導

頻繁に病院に通うのは大変なので、毎日のセルフケアが重要になってきます。リンパ浮腫が生じた皮膚はダメージを受けやすいため、日常生活の過ごし方に気をつけなければいけません。

怪我や乾燥で細菌が侵入してしまうと炎症が起こりやすくなります。入浴後に保湿クリームを塗って保湿をしたり、外出時に日焼けをしないよう日焼け止めクリームを塗ったりするなど、様々なセルフケア方法があります。

リンパ浮腫の専門家がいる病院では、適切な方法でセルフケアを行えるように外来治療として日常生活の指導を行っています。

リンパ浮腫の治療なら銀座リプロ外科

銀座リプロ外科は、東京・銀座にあるクリニックです。スーパーマイクロサージャンによる顕微鏡手術を中心に行っている、外科専門クリニックです。がん治療後の続発性リンパ浮腫の治療を対象に行っております。

長年リンパ管静脈吻合手術を行なってきた経験豊富な医師が手術を行いますのでご安心ください。

 

銀座リプロ式 弾性ストッキング

https://ginzarepro.jp/column/rubber-stockings/

当院では、完全オーダーメイドで弾性ストッキングを提供しています。会陰部や骨盤内を刺激しリンパ液をためないようになっているため、もう片方の足への影響を防ぐのにも有効です。

医師の指示書があれば3割負担(上限あり)でご購入いただけます。

 

銀座リプロ式 リンパトレナージ

https://ginzarepro.jp/sinryo/lymph_drainage/

また、オリジナルのリンパドレナージ方法「銀座リプロ式リンパドレナージ」を採用しているのも特徴です。初診のときに体験していただくため、体験後はお家で簡単にセルフケアを行っていただけます。

 

手術

https://ginzarepro.jp/sinryo/lva/

手術はリンパ管細静脈吻合手術が中心で、局所麻酔を使用した外来治療が可能です。

ご予約・お問い合わせは公式HPから受け付けております。

リンパ浮腫の外来治療を検討している方は、お気軽に銀座リプロ外科へお問い合わせください。

この記事の執筆医師

永尾光一(東邦大学泌尿器科教授 リプロダクションセンター長)

永尾 光一 先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター長
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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