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保存的治療について

保存的治療の基本は、複合的理学療法と呼ばれ、4つの主要素「スキンケア、医療リンパドレナージ、圧迫療法、運動療法」を個別の症状に応じて実施します。

スキンケア

皮膚の清潔と保湿を保ちます。
皮膚にクリームの塗布すると不衛生になると言われる場合がありますが、何もしないでいると、冬など特に乾燥しやすい季節は、肌荒れから皮膚に傷がつき、菌が侵入し蜂窩織炎を起こすリスクがあります。
当院では、入浴後などに吸収のよい保湿剤を使用されることを推奨しております。

マニュアルリンパドレナージ

医療リンパドレナージセラピストの資格を有する専門家が行うマッサージ技術で、健康なリンパ管へリンパ液を誘導します。

圧迫療法

医療用弾性ストッキングや包帯で、浮腫みの発生を抑えます。最近では、様々な種類の着衣が発売されており、症状に応じて、最適な方法を組み合わせます。

圧迫下での運動療法

患肢を圧迫した状態での運動により、筋ポンプ作用を活かして効果的にリンパ液の流れを促します。

リンパ浮腫における、リンパドレナージ(MLD)の重要性

リンパドレナージについて、さらに詳しい情報はこちら
リンパ浮腫を進行させないためには、スキンケア、医療リンパドレナージ、圧迫療法、運動療法を日常的に行う必要があります。何もしないでいると、リンパ浮腫は進行します。浮腫みが進み、痛みの出現、炎症、更には、蜂窩織炎などを起こすこともあります。

通常は、弾性ストッキングやスリーブなどの弾性着衣を用いて日常的に圧迫を行います。

定期的なリンパドレナージはとても大変

リンパ浮腫の管理では、スキンケア、医療リンパドレナージ、圧迫療法、運動療法を日常的に行う必要があります。
まずは、定期的に医療リンパドレナージに通います。ご自身でもやり方を覚え、毎日行う必要があります。ご自分でできない場合は、家族の協力が必要となります。

また、弾性着衣での圧迫も日常的に行います。(弾性着衣は、医師が必要と判断した場合は、保険で購入できます。要件や上限額などもあるため、詳しくはこちらをご覧ください。

下肢リンパ浮腫で、弾性ストッキングが履けない場合は、弾性包帯を用いて圧迫します。
いずれにしても全ての行程を、毎日行う必要があり、患者様は根気が必要ですが、ご自身で完結できない場合は、ご家族の協力が必須となります。

「銀座リプロ式リンパドレナージ」とは?

時間とお金をかけずに、他力本願で、簡単に気持ちよくなれるのが、銀座リプロ式リンパドレナージです。

定期的に医療リンパドレナージに通うことは、時間と費用がかかります。また、毎日自分で行っている方法で確実に効果が上がらない場合も多くあります。そこで銀座リプロ外科では、「銀座リプロ式リンパドレナージ」を開発いたしました。

定期的に医療リンパドレナージ通院が必要なく、毎日ご自分で簡単・確実に行えます。
テレビを見たり、音楽を聴いたり、朝晩ベッドの中でも行うことができます。

おおまかな流れ

初診時にリンパ浮腫の評価を行います。
その後、「銀座リプロ式リンパドレナージ」の体験をしていただきます。
それ以降はご自宅で継続していただきます。

評価

10日~1カ月後にリンパ浮腫の再評価を行います。
当院では、サイズ測定、写真撮影の他、ご希望があれば3次元での画像撮影も行い評価しております。
銀座リプロ式リンパドレナージをマスターし、効果が現れた方には、担当医師が手術の適応を検討いたします。

患者さまからのお声

リンパ浮腫の患者さまは、日ごろ痛みで本当につらい思いをされています。そのため、銀座リプロ式リンパドレナージを行うと、皆さん一様に「気持ちいい~♪」と、にっこりしながらおっしゃいます。

受けられた方の事例

浮腫が進んでいる患者さまで、圧迫療法を組み合わせながら銀座リプロ式リンパドレナージを1週間行ったところ、自覚症状の軽減や患肢サイズの減少といった効果を得ることができました。

Aさん 子宮癌術後の左下肢リンパ浮腫

第1~第5中足骨遠位側
を通る周囲
足関節周囲 膝窩関節より5㎝末梢側 股関節より10㎝中枢側 太腿根部
初診時の周径(cm) 24.0cm 24.0cm 38.0cm 45.0cm 58.0cm
1週間後の周径(cm) 23.0cm 23.0cm 36.5cm 42.5cm 55.0cm

  

周径の計測部位については、日本癌治療学会のがん診療ガイドラインに準じています。
詳しくは以下の図を参照してください。

出典:日本癌治療学会 がん診療ガイドラインより

いつからはじめればよい?

リンパ浮腫の治療は早期発見と早期治療がカギとなります。一度発症してしまうと、生涯に渡って病状が進行する可能性もあるため、ぜひお早めにご相談ください。
ご相談はこちらから。

ただし、外科的治療は体力を消耗するため、がん(悪性腫瘍)の治療直後はぜひ主治医とご相談ください。
リンパ浮腫の手術に関して詳しくはこちらをご覧ください。

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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