妊活にやる気ない旦那になっていませんか?不妊治療で夫にできること | 男性不妊治療は銀座リプロ外科            
COLUMN

「うちの旦那、妊活にやる気ない」と奥様に言われていることを知り、どうすればパートナーの不安を和らげられるかと悩んではいませんか。

妊活は、夫婦が同じ熱量で向き合い、力を合わせて取り組むことが重要です。

不妊の原因は、男女に同程度あるといわれています。男性が妊活に非協力的だと、女性に心身的な負担がかかったり、不妊治療をスムーズに受けられなかったりする恐れがあります。場合によっては、治療が想定以上に長引くでしょう。

本記事では、「妊活にやる気ない旦那」が問題となる理由や、赤ちゃんを望む際に男性ができることを紹介します。ぜひ参考にして、夫婦で支え合いながら新しい命を迎える準備をしてください。

妊活の結果に大きな影響を与える精索静脈瘤とは?

 

 

男性不妊・精索静脈瘤にお困りのかたへ
男性不妊の40%精索静脈瘤が原因

男性不妊の40%にある精索静脈瘤は、精巣やその上の精索部(精管、血管、神経、リンパ管などを覆う膜)に静脈瘤(じょうみゃくりゅう・静脈の拡張)が認められる症状のことを指します。一般男性の15%に認められ、男性不妊症患者の40%がその疑いであるとされています。

「妊活にやる気ない旦那」になってしまう理由

次のような理由で妊娠に対する気持ちにパートナーと温度差がある方は、「妊活にやる気ない旦那」と思われている可能性があります。

・仕事で忙しい
・プレッシャーを感じる
・女性の問題だと思っている

男性も、妊活を自身の問題として捉えることが大切です。夫婦でしっかりと話し合って認識を統一してください。

仕事で忙しい

仕事が忙しく、プライベートな時間を十分にとれていない場合は、「妊活にやる気ない旦那」に見えてしまっているかもしれません。

多忙な業務や深夜残業に追われて心身に疲れが溜まり、妊活に集中する余裕がなくなる男性は多いでしょう。仕事のプレッシャーやストレスは、男性ホルモンの低下を引き起こし、精子の形態や運動率の悪化につながる可能性があります。

家族のために仕事に励んでいるつもりが、コミュニケーションをとる時間が減ってしまうと、気持ちのすれ違いが生じやすくなります。

お互いの状況を理解するために、まずはスケジュール調整をすることがおすすめです。休日の予定を事前に共有したり、夕食の時間を合わせたりなど、無理のない工夫から始めてください。

プレッシャーを感じる

妊活に対するプレッシャーが理由で、子どもを授かるための行動に積極的になれず、「やる気ない旦那」と言われてしまう男性もいます。

妊活では、排卵日を意識した計画的な性交渉が有効です。しかし、「今日は排卵日だから」といった義務的な性生活は、お互いにとって大きなストレスになりえます。

周囲からの期待やパートナーの焦りが重圧となり、心理的な負担を感じることもあるでしょう。過度なプレッシャーは、性交渉の回数減少や心因性のED(勃起障害)につながりかねません。

排卵日を意識しつつも、妊活に囚われすぎず、ときには自然体で夫婦の時間を楽しめる環境を作ることが大切です。

女性の問題だと思っている

妊娠や出産が女性だけの問題だと思っている方は、「妊活にやる気ない旦那」になってしまっている恐れがあり、注意が必要です。

不妊に悩んだことのある夫婦の割合は全体の40%ほどといわれており、約23%が実際に検査や治療を行なっています。不妊の要因はさまざまで、WHO(世界保健機関)によると、約半数の原因が男性側にあるという調査結果です。

妊活は決して女性だけの問題ではなく、男女双方が協力し合うことが不可欠です。夫婦で前向きに妊活に取り組みましょう。

 

「妊活にやる気ない旦那」が問題となるわけ

「妊活にやる気ない旦那」は、以下の3つの事態につながる恐れがあります。

・女性だけでは治療の継続・中断の判断が難しい
・夫婦仲が悪くなり離婚につながりかねない
・男性に不妊の原因が見られる場合もある

不妊治療は2022年4月から保険適用になり、女性が43歳未満の場合は3割負担で治療を受けられるようになりました。経済的負担が軽くなったことで不妊治療のハードルが下がり、妊活を前向きに考えるようになった方も多いでしょう。

しかし、妊活に対して夫婦間の温度差があるケースは依然として多く、非協力的な相手と、時間や費用がかかる不妊治療を乗り越えていくことは困難です。「赤ちゃんを授かりたい」という強い気持ちを夫婦二人で持ってから、不妊治療を開始することが非常に重要です。

女性だけでは治療の継続・中断の判断が難しい

男性が「妊活にやる気ない旦那」と言われるような非協力的な態度である場合、女性だけでは不妊治療の継続・中断などの判断が難航します。

妊活は必ずしもスムーズに進むとは限らず、医師の手を借りる不妊治療が必要になることもあります。不妊治療は、費用・期間・具体的な治療法・受容できるリスクなど、夫婦で考えるべき問題が山積みです。

夫婦で十分に話し合えないと、経済的にも精神的にも疲弊してしまう恐れがあります。結果がともなわず、不妊治療を中断して夫婦二人で生きていくことを決めなくてはならない場合も、女性だけでは判断できないでしょう。

妊娠や出産は夫婦にとって大切なライフイベントなので、妊活や不妊治療にも、パートナーと二人で誠実に向き合うことが必要です。

夫婦仲が悪くなり離婚につながりかねない

「妊活にやる気ない旦那」と言われ、夫婦間で温度差があると、仲が悪くなるばかりか、離婚につながる可能性もあります。

近年、妊活への支援や理解が進んでいるとはいえ、妊娠・出産では女性に負担がかかる場面が大半です。

検査内容への不安や通院の恥ずかしさなどの理由で、不妊治療に乗り気ではない男性は注意が必要です。「自分だけが肉体的・精神的負担を背負っている」と女性が感じた場合は、夫婦の絆に亀裂が入りかねません。

治療を通してお互いの負の部分ばかりが目につき、離婚を決断する夫婦がいることも事実です。

妊活や不妊治療では、つらい思いをする場面もあるでしょう。しかし、夫婦が支え合える関係であることは、子どもを授かってからも大切です。ぜひ妊活をきっかけに、二人の仲を深めてください。

男性に不妊の原因が見られる場合もある

男性に不妊の原因が見られる場合もあることも、「やる気ない旦那」であると妊活が難航する理由です。

WHOの調査によると、不妊治療中のカップルの48%は男性に原因があります。男性不妊の原因のうち、約8割は精子を造る機能の異常です。原因不明のケースがある一方で、精索静脈瘤のように手術により自然妊娠が期待できる疾患も潜んでいます。

精索静脈瘤は男性不妊の方の40%に存在し、徐々に症状が進行するため、特に気になる症状がある場合やなかなか妊娠しない場合は早めに泌尿器科医の診察と超音波検査を受けることが大切です。

 

妊活で夫にできること

妊活で夫にできることは、以下のとおりです。

・生活習慣を整える
・精巣を温めないように気をつける
・ストレスを溜めない
・男性不妊の検査(超音波検査や性液検査)を受ける

妊娠・出産を女性の問題と決めつけず、自分のこととして捉えましょう。男性が妊活のために今日から始められることを詳しく紹介します。

生活習慣を整える

「妊活にやる気ない旦那」と言われないよう、以下のようなポイントを意識して生活習慣を整え、妊娠率向上につなげてください。

・食事の栄養バランスに気をつける
・十分な睡眠をとる
・適度に運動する

生活習慣は、精子の形成や男性ホルモンの分泌などと密接な関係があります。

3食バランスよく食べ、7〜8時間の睡眠時間を確保しましょう。サプリとしてはコエンザイムQ10・亜鉛・L-カルニチンは、精子の量や運動率を向上させるため積極的な摂取がおすすめです。

ウォーキングといった適度な運動は、代謝や血流をよくし、筋力アップにつながります。筋肉が増えると、男性ホルモンの分泌が促進される傾向があります。一方で、運動のしすぎは活性酸素を増やし、精子に悪影響を及ぼすリスクがあるため注意が必要です。

心身が健康な状態で、妊活に臨みましょう。

精巣を温めないように気をつける

妊活において重要な役割を担う精巣を温めないように気をつけて、「やる気ない旦那」を返上してください。

精巣は、精子の産生や男性ホルモンの分泌に関与する器官で、袋状の陰のうに包まれ、体外に露出しています。精巣にとって最適な温度は体温より低い32〜35度なので、以下のような場面で温められると機能が低下する恐れがあります。

・サウナや熱いお風呂に入る
・膝の上でノートパソコンを使う
・電気毛布やホットカーペットを使う

サウナや熱いお風呂に入る場合は、短時間にとどめましょう。パソコンは机の上で使用し、電気毛布やホットカーペットは、陰のう周辺が高温になっていないか、気をつけながら使ってください。

ストレスを溜めない

ストレスは、妊活中の男性に悪影響を及ぼし、男性ホルモンの分泌を妨げ、精子の形態や運動率を悪化させる要因となります。仕事や人間関係のトラブルなどに加え、妊活中は男女ともに精神的にも肉体的にも負担が増えがちです。

パートナーから「不妊治療にやる気ない旦那」と思われることによるプレッシャーも、妊活に悪影響を与えかねません。夫婦関係を良好に保つためにも、ときにはお互いの好きなことに没頭し、ストレスを解消しながら妊活に取り組みましょう。

男性不妊の検査を受ける

妊活を始めるときは、男性も一緒に不妊検査を受けてください。WHOが不妊に悩むカップルを調査した結果、原因の約50%は男性にもあることがわかりました。

男性不妊の検査は、主に以下の方法で行われます。

・精液検査
・泌尿器科での診察・超音波検査
・血液検査

検査で精索静脈瘤が見つかり治療できれば、精子の運動率や形態が改善し、自然妊娠が望める可能性もあります。

男女ともに年齢を重ねるごとに不妊治療の成功率は下がるため、早めに夫婦で検査を受け、原因を探ることが必要です。

検査や治療には日数がかかる場合もあります。不妊の原因がわからない段階では、夫婦二人で同時に通院をスタートさせることが、お金や時間を無駄にしないコツです。

 

男性不妊の原因

男性不妊の主な原因は、以下の3つです。

・精索静脈瘤(造精機能障害)
・精路通過障害
・性機能障害

男性不妊を引き起こす原因により治療・改善に向けたアプローチ方法が異なるため、個々のケースに応じて適切に対処する必要があります。

精索静脈瘤(造精機能障害)

男性不妊の原因として最も多い病気が精索静脈瘤です。精索静脈瘤とは、本来精巣から心臓に戻る血液が静脈の弁の不具合で逆流し、陰のうや精索の血管が瘤(こぶ)のように拡張する病気です。

精索静脈瘤があることで血液が溜まって精巣が温められると、精子を造る機能が低下し、以下のような状態に陥る可能性があります。

・精液中の精子の数が減る(乏精子症)
・形の悪い精子が造られる
・精子の運動率が低下する
・精子のDNA損傷を引き起こす

状態の悪い精子では、妊活を進めたとしても妊娠率の向上は期待できないでしょう。精索静脈瘤は徐々に進行するため、治療せず放置すると、精巣機能の低下や男性ホルモンの減少などを引き起こし、男性不妊が深刻化する恐れがあります。

不妊男性の約40%に精索静脈瘤が認められるものの、適切な手術により完治が望めます。

「片方の陰のうが腫れている」「精巣のサイズに左右差がある」といった、精索静脈瘤が疑われる症状がある場合は、泌尿器科で診察と超音波検査を受けてください。

精索静脈瘤の症状を詳しく見てみる

精路通過障害

精巣は正常に機能しているものの、精子を外に出せない精路通過障害も、男性不妊の原因の1つです。精路通過障害は、以下のような原因で精子の通り道が閉塞されていることで起こります。

・生まれつき両側の精管が欠損している
・尿道・精巣上体・精管に炎症がある
・子どもの頃に両側の鼠径(そけい)ヘルニアの手術を受けた
・パイプカット手術を受けた

精子以外の射精液は出せるため、自分では気づかない方もいます。

精路通過障害は治療によって改善が見込める場合もありますが、難易度の高い専門手術となるケースもあるため、慎重な病院選びが大切です。

当院では、パイプカット手術後の再開通を望む方向けに、局所麻酔で日帰り顕微鏡下パイプカット再建術を行なっています。最も細い0.3mmのリンパ管吻合を手掛けるスーパーマイクロサージャリーによる手術で、精子出現率91%・精液正常化率47%という高い治療実績があります。

当院のパイプカット再建術について確認する

精路通過障害は造精機能に異常はないことが多いため、重症のケースでも、精巣から精子を採取できれば顕微授精が可能です。気になる症状がある際は、泌尿器科を受診しましょう。

性機能障害

男性不妊の原因の1つである性機能障害は、大きく勃起障害と射精障害に分けられます。性機能障害によって性行為が満足に行えないケースでは、妊娠につながらないばかりか「妊活にやる気ない旦那」と言われかねません。

勃起障害とは、性行為のときに十分な勃起の維持が困難な状態です。過度なプレッシャーや、高血圧・糖尿病などが原因で起こります。

勃起はできても射精できない状態が射精障害で、早漏や遅延射精、逆行性射精などのタイプに分類可能です。近年は、膣内射精障害の方が増加しており、心理的要因や誤った方法でのマスターベーションが原因とされています。

性機能障害は、原因と症状から適切な治療を探ることが大切です。妊活に取り組むときは、ブライダルチェックのような検査を活用し、お互いの健康状態を確認しましょう。

 

男性不妊に関するお悩みは当院へご相談を

男性不妊でお悩みの際は、当院へご相談ください。

当院では、精索静脈瘤に対し、「日帰り顕微鏡下精索静脈瘤手術・ナガオメソッド」での治療が可能です。顕微鏡手術のプロによる熟練した技術で、動脈・リンパ管・神経を温存しながら、内精逆流静脈だけでなく外陰部逆流静脈も結紮(けっさつ)・切離できます。

治療実績は、精液所見改善率87%・再発率0.1%です。局所麻酔による手術なので、入院の必要がなく、翌日から通常と同様の生活が送れます。

手術枠を多く設けているため(大学病院の10倍以上)、早期に治療を受けていただけて、妊活のスケジュールを大きく変更する必要がありません。

当院では、夫婦二人が協力して不妊治療を乗り越えていけるよう、全力でサポートいたします。まだ精索静脈瘤かどうか検査されていなかったり、不妊治療について不安があったりする方は、ぜひ当院へお悩みをお聞かせください。

精索静脈瘤の検査・治療方法を詳しく確認する

施術の紹介

男性不妊症は治療できる?原因や検査の種類・受診できる科を紹介

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この記事の執筆医師

永尾 光一

日本泌尿器科専門医

永尾 光一先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター長
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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