COLUMN

不妊症のうち、WHOの調査では女性不妊65%・男性不妊48%(夫婦両方24%)と言われています。そのうち、男性不妊の原因の約40%が精索静脈瘤と言われています。精索静脈瘤は手術だけで治療でき、適切な手術法であれば再発もほとんどありません。ここでは、男性不妊と精索静脈瘤の関係についてご紹介しています。

男性側も5割?不妊の原因の内訳

冒頭でもお伝えしたように、不妊症の原因において男性側・女性側の割合はほぼ半分です。男性側もあわせて不妊治療に向き合っていただくことで、妊娠確率を上げることができると考えられます。

男性不妊の原因に関しては「男性不妊とは?その原因・対策」をご覧ください。

妻から夫に検査をすすめるのは気が引ける…来院者さまの声

不妊の原因は女性側にあると思っている方が殆どのため、当院を受診された患者様も、奥様から旦那様に検査をお願いしにくかったという方が多く見受けられます。そのため、自分が我慢すれば良いのだからと、婦人科治療を長年続けてこられた女性が多いのが現状です。

奥様が調べてくれたから、と、旦那様お一人で受診される方や、「これまで妻にばかり辛い思いをさせていたので、今度は自分が勇気を出す番!」と手術を決意される方も多くいらっしゃいます。

日帰り顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術・ナガオメソッドを受けられた方の87%で精液の改善が見られ、多くの方が自然妊娠されています。
手術は日帰りで、中学生でも受けられる低侵襲な手術です。
翌日から事務仕事の復帰が可能です。

精索静脈瘤があるか確かめる方法

精索静脈瘤があるかどうかについては、見た目でわかることもあります。精巣のサイズに左右差があったり、陰嚢表面にデコボコがあったりといったものがその例です。
見た目で精索静脈瘤かどうかを判断し、受診のきっかけにしていただければと思います。詳しくは「男性不妊の特徴、見た目や自覚症状で分かる?」をご覧ください。

放置していると精液所見が悪くなる?

精索静脈瘤があることで、精液所見は悪化していきます。正常な精液の場合、精液量1.4ml以上、精子濃度1600万/ml以上、運動率42%以上、総運動精子数1638万以上(精液量x精子濃度x運動率)ですが、精索静脈瘤があるとそれ以下となります。

手術の流れ・費用は?

検査の結果、精液所見が悪いと診断された場合、精索静脈瘤の手術を行いましょう。以下、手術の流れや費用についてご紹介します。

手術前には問診を行います。これまでの不妊治療歴や既往歴などです。
次に触診・エコー検査を行います。(当院では精液検査は行っておりません)

手術当日は剃毛をしていただき、お食事は手術時間の3時間前までに済ませていただき、その後は水分(スポーツドリンクなど)をとっていただいています。
当院の手術は日帰りでの実施が可能ですので、術後はそのままお帰りいただけます。翌日からはシャワーも浴びていただけます。

手術について詳しくは「日帰り顕微鏡下精索静脈瘤手術・ナガオメソッド」をご覧ください。手術に関して、より詳しい情報をご紹介しています。

先生選びのポイント

着目すべきは手術法です。精索静脈瘤には複数の手術法があり、先生によって異なります。(手術法ごとの違い・比較についてはこちらをご覧ください。
一般的な手術は、温存できる動脈・リンパ管・神経も少ないため、身体への負担が大きかったり、合併症や再発率が高いのが問題です。

当院が行っている日帰り顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術・ナガオメソッドは血管(動脈・静脈)・リンパ管・神経を1本1本分離して、大切なものが全て温存され、合併症もほとんどありません。
ただし、1本1本分離することから、高度な技術が必要であるため、施術できる医師は限られています。
高度な技術を持つ医師とは、顕微鏡手術の教育プログラムを習得し、多くの血管吻合(細い0.5ミリの血管)やリンパ管吻合(細い0.25ミリのリンパ管)を経験した限られた医師です。

手術後はいつから妊活を再開すべき?

「手術の流れ・費用は?」でご紹介したように、性交渉が行えるのは術後1週間からです。そのため、タイミング法などはこの時期から行っていただけます。
ただし、精液所見の検査などの婦人科治療に関しては2ヶ月後からをおすすめしています。精索静脈瘤があると染色体・DNAなどの精子の遺伝子にダメージが生じるためです。精索静脈瘤手術によって精液所見がよくなると、顕微授精・体外授精・人工授精・自然(タイミング)など全ての方法で、妊娠率・出産率が上昇し、流産・奇形児が減少します。
結果的に、奥様の負担を減らすことができます。

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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