骨盤底筋の鍛え方4選!寝ながらできる簡単なトレーニングも紹介 - 銀座リプロ外科
COLUMN

骨盤底筋のトレーニングをしたほうが良いとは聞くものの、鍛え方がわからず悩んでいませんか。

骨盤底筋は、内臓の保持や排泄の制御といった大切な役割を担っています。しかし、加齢や妊娠・閉経といった女性特有のライフイベントによる影響で筋力が衰えると、日常生活に支障をきたすことがあります。

運動が健康に役立つとわかってはいても、「やらなければ」というプレッシャーを感じると、なかなか続けられないものです。

本記事では、何かをしながらでもできる簡単な骨盤底筋の鍛え方を紹介します。思い立ったときにできるエクササイズで、継続的に楽しく筋肉を鍛えましょう。

 

 

骨盤底筋を鍛えるメリットは?

骨盤底筋を鍛えると、次のようなメリットが得られます。

  • 体幹の安定
  • 腰痛の軽減
  • 内臓下垂や排泄トラブルの予防・改善
  • 産後の早期回復
  • 更年期の不調の軽減

内臓下垂や排泄トラブルの予防や改善を通して、生活の質の向上が期待できます。ぜひ効果的な鍛え方を身につけて、毎日のトレーニングに活かしてください。
 

骨盤底筋について詳しく知ろう

正しい鍛え方を知る前に、まずは骨盤底筋について詳しく理解することが大切です。知っておきたいポイントを、以下の項目にわけて解説します。

  • 骨盤底筋の場所と働き
  • 骨盤底筋が衰える原因
  • 骨盤底筋が緩むと何が起こる?

骨盤底筋の詳細を知り、トレーニングに活かしましょう。
 

骨盤底筋の場所と働き

骨盤底筋は、骨盤の最も下でハンモックのように広がり、膀胱や直腸などの臓器を支えています。複数の筋肉で構成されているため、骨盤底筋群とも呼ばれ、次のような働きに関与しています。

  • 骨盤内の臓器が正しい位置にあるよう支える
  • 排尿や排便のタイミングを調節する
  • 体幹を安定させる
  • 呼吸に合わせて動き腹圧を一定にする

骨盤底筋は体の深部にあるインナーマッスルで、位置や動きを自覚しにくいため、正しく鍛えることが難しい筋肉です。
 

骨盤底筋が衰える原因

以下のような要因によって、骨盤底筋は機能が低下してしまいます。

  • 加齢
  • 妊娠・出産
  • 運動不足や肥満
  • 腹圧がかかる生活習慣

骨盤底筋は、重力による負担を常に受けながら内臓を支えているため、年齢を重ねるごとにダメージが蓄積します。
加齢とともに筋肉量を維持する働きを持つ女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減ることも、骨盤底筋の緩みにつながる原因です。
妊娠で重くなった子宮や、出産時のいきみでも、骨盤底の筋肉や靭帯が伸びてしまいます。出産にともなう損傷は産後に回復することがほとんどですが、分娩回数が多いほど、ダメージが積み重なっている可能性があります。
重いものの運搬や、排便時の強い力みにともなう腹圧の上昇も骨盤底筋に負担をかけるため、習慣化している方は注意が必要です。
 

骨盤底筋が緩むと何が起こる?

骨盤底筋が緩むと、次のような問題が起こる恐れがあります。

  • 腰痛や肩こり
  • 骨盤臓器脱
  • 排泄トラブル

骨盤底の筋肉には体幹を安定させる働きがあるため、ダメージを受けると姿勢が保持できなくなり、猫背になったり、腰に過度な負担がかかったりします。
内臓を支えている筋肉群の緩みは、子宮や膀胱などが体外に出てしまう骨盤臓器脱や尿漏れを引き起こす要因です。
骨盤臓器脱や排泄トラブルは、不快感や痛みだけでなく精神的なストレスをともない、外出や人付き合いにも悪影響を及ぼす可能性があります。周囲にも相談しにくく、受診が遅れがちです。
適切なトレーニングやフェムケアグッズを早めに取り入れて、生活の質を保ちましょう。
 

基本となる骨盤底筋の鍛え方

基本となる骨盤底筋の鍛え方は、次のとおりです。

  1. 仰向けに寝る
  2. 両膝を立てる
  3. 足や膝は肩幅と同じくらいになるよう軽く開く
  4. 尿を止めるようなイメージで骨盤底筋を締める
  5. 骨盤底筋を緩める

4~5を1分間繰り返し、10セットを目安に行います(合計10分間)。慣れるまでは、基本の鍛え方で骨盤底筋をトレーニングすると効果的です。
 

簡単にできる「ながら」骨盤底筋トレーニング4選

簡単にできる「ながら」骨盤底筋トレーニングを4つ紹介します。

  1. 寝てリラックスしながら
  2. テレビを見ながら
  3. 家事・立ち仕事をしながら
  4. 通勤や買い物をしながら

毎日忙しく、運動の時間を十分に取れない方も多いでしょう。しかし、骨盤底筋を鍛えるためには、日々の積み重ねが大切です。日常生活のなかに組み込むことで習慣化し、健康維持につなげてください。
 

1. 寝てリラックスしながら

仰向けに寝た姿勢でリラックスしながら行える、骨盤底筋の鍛え方の例は次のとおりです。

  • 膝にものを挟んでお尻を上げ下げする
  • 両足の裏を合わせる(仰向けのまま足で合掌するイメージ)

5〜10秒かけてゆっくりと呼吸をしながら行うことがポイントです。
膝にものを挟んだ状態でのお尻の上げ下げは、骨盤底筋だけでなくお尻や内ももの筋肉も同時に鍛えられます。
朝起きたときや寝る前、本を読みながらなど、横になっているタイミングの日課にすると、忘れずに続けられます。
 

2. テレビを見ながら

テレビを見ながら楽しくできる骨盤底筋の鍛え方は、以下の2つです。

椅子に座った状態
  1. 椅子に座って背筋を伸ばす
  2. 椅子と陰部の間にボールや丸めたタオルを挟む
  3. 挟んだものから腟を引き離すイメージで引き上げる
  4. 3で入れた力を緩める
床の上で立った状態
  1. つま先を外側に開いた状態で立つ
  2. 上半身を前に倒して、床に手をつく
  3. お尻をゆっくり下げてしゃがんだ姿勢になる
  4. 合掌して肘で膝を押す

 

「CMが放送されている間だけ」のように短い時間を区切って取り組むと、モチベーションを保ちやすいでしょう。
 

3. 家事・立ち仕事をしながら

家事や立ち仕事をしながらでも骨盤底筋のトレーニングができます。
鍛え方のポイントは、腟・尿道・肛門を意識してキュッと持ち上げるイメージです。洗濯物を干すときや食器を洗いながらなど、家事をしている時間を上手に活用できます。
立ったままの姿勢であれば、足を軽く開いた状態で腰をゆっくりと下げ、肛門を締めながら元の体勢に戻る動きを繰り返す鍛え方も有効です。両脚の筋力やバランスに自信がない方は、転倒しないよう、椅子や手すりにすぐにつかまれる場所で行なってください。
 

4. 通勤や買い物をしながら

通勤や買い物をしながらできる骨盤底筋の鍛え方を紹介します。

立った状態
  1. 肩幅くらいに足を開く
  2. 背筋を伸ばしてあごを軽く引き、重心を安定させる
  3. 息を吐きながら腟・尿道を締める
  4. 息を吸いながら力を緩める
  5. 3と4を繰り返す
歩きながら
  1. 骨盤底筋を締めたまま5歩ほど歩く
  2. 骨盤底筋を緩めたまま5歩ほど歩く
  3. 1と2を繰り返す
  4. 3と4を繰り返す

 

歩きながらのトレーニングでも、立った場合と同じように呼吸を意識することが大切です。
外から見ると立ったり歩いたりしているだけなので、電車やお店の中で周囲に気づかれずにトレーニングできます。
 

間違った骨盤底筋トレーニングに注意!

間違った骨盤底筋トレーニングは、効果を得られないばかりか、痛みの原因になる恐れがあります。骨盤底筋の鍛え方で気をつけるべきポイントは、以下のとおりです。

  • 骨盤底筋ではない場所が動いている
  • 力みすぎている
  • 即時効果を期待して途中でやめてしまう

鍛えたい筋肉を正しく動かせているか不安になったり、1人での運動継続が難しかったりする場合は、理学療法士やスポーツトレーナーに相談しましょう。
 

骨盤底筋ではない場所が動いている

誤った鍛え方で骨盤底筋ではない場所が動いているケースは、鍛えたい筋肉に効果が表れません。日々の努力が無意味になるのみならず、強い腹圧がかかれば、骨盤底の筋肉・組織のダメージにつながってしまいます。
骨盤底筋は、腕や脚などの筋肉とは異なり、動きを確認しにくい場所に存在し、トレーニングの際に意識することが難しい部位です。骨盤底筋をしっかりと動かせているか不安な方は、排尿を中断したり腟に指を入れたりすると、筋肉の位置や動きを確認できます。
 

力みすぎている

骨盤底筋を鍛えるときは、力みすぎないように注意してください。力みすぎは、お腹への過剰な負荷やトレーニング効果減少の要因になります。
筋肉の動きと呼吸を連動させることが、力を抜くコツです。息を吸って吐くとき、骨盤底筋は横隔膜に合わせて以下のように動きます。

呼吸 横隔膜の動き 骨盤底筋の動き
吸う 下がる 下がる
吐く 上がる 上がる

 

呼吸と連動する自然な動きに合わせて、息を吐いたときに骨盤底筋を引き上げ、吸ったタイミングで緩めます。落ち着いた呼吸を繰り返しながら、骨盤底筋以外の部位の力を抜くイメージを掴んでください。
 

即時効果を期待して途中でやめてしまう

即時効果を期待して骨盤底筋トレーニングを途中でやめてしまわないようにしましょう。
すでに排泄トラブルが生じていたり、衰えが気になっていたりすると、すぐに結果を求めてしまいがちです。しかし、筋肉は一朝一夕では鍛えられず継続が肝心です。
骨盤底筋運動の効果は、早いケースで4週間ほど、多くは2〜3か月ほどの継続で実感できると報告されています。

  • モチベーションを維持できない
  • 運動の時間が取れない

上記のような理由でトレーニングをやめないよう、ぜひ何かをしながらできるエクササイズを取り入れ、習慣にしてください。
 

骨盤底筋トレーニングに役立つグッズ

骨盤底筋トレーニングをより効率的に行いたい方は、以下のような筋トレに役立つ製品を利用する方法もあります。

  • 内転筋トレーナー
  • トレーニングボール・タオルなど
  • 骨盤底筋サポート下着

内転筋トレーナーとは、太ももに挟んで使う器具で、内側の筋肉に力を込めて開閉するタイプが一般的です。トレーニングボールや丸めたタオルなどと同様に、動かすべき筋肉を意識しやすくなることが使用するメリットとして挙げられます。

緩んだ筋肉を支える機能がある骨盤底筋サポート下着なら、はいているだけで筋力アップが目指せます。

便利なグッズを上手に活用して骨盤底筋を効果的に鍛えましょう。

おすすめの骨盤底筋サポート下着を知りたい

 

骨盤底筋ケアにはフェミクッション ハピネスを

骨盤底筋ケアには「フェミクッション ハピネス」がおすすめです。

フェミクッション ハピネスは、骨盤底筋の機能低下が気になる方に向けた医療機器です。普段使っている下着の上からはくだけで骨盤底筋をサポートし、装着したまま運動もできます。

自宅で洗濯できるため、清潔さを保ちながらの使用が可能です。カラーはベージュとブラックの2色展開で、ケアアイテムらしくない、シンプルな美しさにこだわっています。

独自の設計で、サポート機能とデザイン性の両方を兼ね備えたフェミクッション ハピネスで骨盤底筋を鍛え、健康維持につなげてください。

フェミクッション ハピネスでの骨盤底筋ケアを試してみる
 

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

永尾 光一 先生

一般社団法人日本精索静脈瘤協会 理事長
医療法人社団マイクロ会 理事長
銀座リプロ外科 院長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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