骨盤底筋の締め方|わからない人でも簡単に試せるチェック方法とコツ - 銀座リプロ外科
COLUMN

骨盤底筋の衰えは、骨盤臓器脱や尿失禁などの症状につながります。骨盤底筋トレーニングが良いと知っていても、締め方がわからず、間違った方法のまま続けていませんか。

本記事では、骨盤底筋が衰えた際に起こる症状や、トレーニングできちんと締まっているか確認する方法を解説します。不快な症状を軽減してくれるケア商品を取り入れながら、日常生活の質を上げていきましょう。

 

 

締め方がわからない方は骨盤底筋への理解を深めよう

骨盤底筋トレーニング中に「締め方がよくわからない」と感じている方は、鍛えたい筋肉の位置・役割を把握することが大切です。筋肉を正しく動かせるようになると、トレーニング効果が格段に高まります。

骨盤底筋の位置と役割についてチェックしましょう。

 

骨盤底筋の位置はどこ?

骨盤底筋は骨盤の底の部分にある筋肉で、左右の坐骨・恥骨・尾骨の間にハンモック状に広がっています。腟・尿道・肛門を取り囲み、臓器を下から支える3層の筋肉群です。

イスに座り、両手のひらを上向きにしてお尻の下に置いたときに触れる、硬い骨のでっぱりが坐骨結節です。骨盤底筋が、両方の坐骨とおへそ直下の陰部にある恥骨、背骨の一番下の尾骨をつないでいるとイメージしてください。

骨盤底筋は体の奥深くにあるインナーマッスルで、通常は見たり触ったりできません。動いている感覚も乏しく、日頃意識しにくい部位です。

 

骨盤底筋の役割は?

以下の3つが、骨盤底筋の主な役割です。

  • 骨盤内臓器を下から支える
  • 体幹を安定させる
  • 排尿・排便をコントロールする

骨盤底筋は、子宮・膀胱・直腸などを本来の位置に保つ役割を担っています。上半身の筋肉と連動して体幹を安定させていることから、腰痛予防や運動のパフォーマンス向上にも関与している部位です。

骨盤底筋は尿道や肛門を囲んでおり、収縮・弛緩することで開閉を調節しています。排泄のタイミングを自分でコントロールするためには、不可欠な筋肉です。

 

骨盤底筋が衰えるとどうなる?

何らかの原因で骨盤底筋が衰えた場合は、以下のような症状や見た目の変化が表れます。

  • 骨盤臓器脱が起こる
  • 尿失禁が起こる
  • 姿勢・スタイルが悪化する

骨盤底筋は、重要な筋肉の集合体であるにもかかわらず、女性は妊娠・出産やホルモンの影響などで衰えやすい部位です。日常生活に大きく支障をきたす前に早めに対処し、悪化を防ぐことが重要です。

 

骨盤臓器脱が起こる

骨盤底筋が衰えて支持力が低下すると、骨盤臓器脱を発症する恐れがあります。

骨盤臓器脱とは、骨盤底筋がゆるんで支えられなくなった臓器が腟から出ている状態です。腟や下腹部の違和感といった軽い症状を放置すると、徐々に排泄に悪影響を及ぼしたり、歩行困難になったりします。

臓器が下垂していても腟の中にとどまっている状態であれば、骨盤底筋トレーニングで改善が見込めますが、すぐに成果が出るわけではありません。

腟から臓器が脱出するほど進行している場合、トレーニングは不可能です。ケア商品(フェミクッション)で臓器を適切な位置で保持し、いつも通りの生活を送りながら、少しずつ鍛えていく方法がおすすめです。

重症のケースでは、年齢や体の状態などを考慮したうえで手術も検討されます。

骨盤臓器脱治療のためにフェミクッションを検討する

 

尿失禁が起こる

尿失禁も、骨盤底筋を締める力が弱まった際の代表的な症状です。筋肉を構成する筋線維には遅筋と速筋があり、骨盤底筋では排泄機能に大きく関わっています。

遅筋は持久力に優れており、排泄を我慢したいときに活躍する筋肉です。速筋はくしゃみや咳などで急激な腹圧がかかった際に、瞬発的に尿道をキュッと締める役割を持っています。

骨盤底筋が衰えて遅筋・速筋が適切に働かなければ、尿漏れが頻繁に起こり、生活の質が大きく低下する恐れがあります。

 

姿勢・スタイルが悪化する

骨盤底筋の衰えは、姿勢の乱れや体型の崩れにつながる原因の1つです。

骨盤底筋は、腹筋・背筋・横隔膜と連動して働き、体幹を安定させています。持続的に力を発揮する遅筋の割合が多く、美しい姿勢の維持には欠かせません。

骨盤底筋がゆるんで腹圧が下がると、骨盤が傾いて猫背や反り腰といった悪い姿勢になりやすいといえます。姿勢の崩れにより呼吸が浅くなれば、血行不良を引き起こしてむくみにつながります。基礎代謝が低下して太りやすくなる場合もあるでしょう。

骨盤底筋の支持力が弱まると臓器の位置が下がり、お腹がポッコリと出てしまう要因にもなります。

 

骨盤底筋トレーニングでの正しい締め方

正しい締め方で骨盤底筋を鍛えたい方は、以下を参考にしてください。

対象 基本のトレーニング方法 実践のポイント
遅筋
  1. 全身をリラックスさせる
  2. 息を吐きながら腟・肛門に力を入れて締める
  3. 息を吸いながら力を抜いてゆるめる
  • ゆっくりと10秒間ずつ交互に行う
  • 1日50回以上を目安に取り組む
速筋
  • キュッキュッとテンポ良く行う
  • 1日30~50回ほどを目安に取り組む

 

遅筋・速筋のトレーニングを組み合わせながら、1日数回に分けて行いましょう。慣れないうちは、目標の回数を達成できない方もいるかもしれませんが、少しずつでも継続することが大切です。

「昨日より1回だけ多くやってみよう」のようにハードルを下げて続けていくと、いつの間にか目標の回数をこなせるようになっているはずです。

 

骨盤底筋|締まっているか確認する方法

骨盤底筋がきちんと締まっているか確認するためには、以下の2つの方法があります。

  • 腟の中に指を入れる
  • 尾骨・会陰あたりを圧迫する

自分では鍛えているつもりでも、適切に筋肉を動かせていなければ効果がありません。正しい力の入れ方を確認・習得したうえでの実施が重要です。

 

腟の中に指を入れる

腟の中に指を入れると、骨盤底筋が正しく締まっているか確認できます。

清潔な指を第二関節あたりまで腟に挿入し、骨盤底筋を締めてみましょう。指が腟壁に締めつけられたり、上へ引き込まれたりする感覚があれば、筋肉は適切に動いています。

うまく締められないときは、腟に指を入れた状態で繰り返しトレーニングすることが、コツをつかむための近道です。

ただし、何度練習しても効果を感じない場合は、骨盤底筋が硬くなっている可能性もあります。腟マッサージをすると、筋肉がほぐれて動かしやすくなるためおすすめです。

 

尾骨・会陰あたりを圧迫する

尾骨や会陰あたりを指で圧迫し、骨盤底筋の締まりをチェックする方法もあります。特別な準備が不要なため、日常生活のスキマ時間ですぐにチェックが可能です。

横向きに寝転び、リラックスした状態で、坐骨と尾骨の中間部分(肛門の脇あたり)に親指を除いた4本の指を差し込みます。締めたときに筋肉の動きを指先で確認できれば、骨盤底筋が正しく働いている証拠です。

尾骨や会陰の付近を圧迫して指が離れていく感覚があった場合も、適切に筋肉が収縮していると判断できます。

 

骨盤底筋を簡単・効果的に締める5つのポイント

骨盤底筋を効果的に締めるポイントを5つ紹介します。

  1. 締める動作に近い感覚やイメージを意識する
  2. 呼吸と連動させる
  3. 骨盤底筋以外に力を入れない
  4. 長期的な視点を持って取り組む
  5. フェムケア商品を併用する

簡単に取り組める項目ばかりなので、ぜひ今日から取り入れてください。

 

1. 締める動作に近い感覚やイメージを意識する

以下に挙げるような骨盤底筋を締める動作に近い感覚やイメージを意識すると、正しく鍛えられます。

  • おならや排尿・排便を我慢する感覚
  • 腟や肛門を体内に引き上げるイメージ
  • 腟から水を吸い上げるイメージ

感覚やイメージだけでは上手に筋肉を動かせない場合は、タオルを使用して骨盤底筋の場所を意識する方法がおすすめです。

姿勢を正した状態で、丸めたタオルを恥骨から尾骨の下に当ててイスに座ります。タオルをつかむイメージで骨盤底筋を締め、筋肉が引き上げられる感覚があれば、正しく力が入っていると判断できます。

 

2. 呼吸と連動させる

効果的に骨盤底筋を締めるためには、呼吸と連動させることが重要なポイントです。

骨盤底筋は、呼吸をサポートする横隔膜と一緒に動く筋肉です。息を吸うと肺が膨らんで横隔膜は下がり、吐くときは上がります。骨盤底筋は横隔膜の動きに合わせて、収縮・弛緩して腹腔内圧を一定に保っています。

骨盤底筋だけを意識しても、呼吸活動の大部分を担っている横隔膜がうまく使えなければトレーニングの効果は半減してしまうでしょう。呼吸を意識することで横隔膜も適正に動くため、骨盤底筋を効率的に鍛えられます。

 

3. 骨盤底筋以外に力を入れない

トレーニングでは、骨盤底筋以外には力を入れないことも大切です。

慣れないうちは、骨盤底筋を締めているつもりでも、お腹やお尻・内ももなど、ほかの部位が力みがちです。腹筋に力が入ってしまうと、効果を得られないばかりか、腹圧が高まり、骨盤底筋をさらに傷める原因になりかねません。

骨盤底筋に力を入れる感覚が身につくまでは、トレーニング中にお腹やお尻に手を添え、力んで硬くなっていないか確認すると良いでしょう。最初は体の力を抜きやすい寝た姿勢でのトレーニングがおすすめです。

 

4. 長期的な視点を持って取り組む

骨盤底筋は正しい締め方で鍛えても即効性は期待できないため、長期的な視点を持って取り組むことがポイントです。

骨盤底筋を鍛えて効果が出るまでには、数か月かかるといわれています。はじめの1~2か月は効果が実感できなくても中断せず、続けることを意識しましょう。

骨盤底筋は、立つ・寝転がる・イスに座るなど、さまざまな体勢で鍛えられます。「スキマ時間」や「ながら時間」を使い、生活のなかに意識的に組み込むことが継続するコツです。

 

5. フェムケア商品を併用する

トレーニングに加えてフェムケア商品も取り入れると、骨盤底筋の機能低下による症状の改善が期待できるうえ、日常生活の快適性が増します。

フェムケア商品とは、女性特有の健康問題をサポートする製品です。骨盤底筋の衰えによる問題におすすめのフェムケア商品は、以下のとおりです。

症状 フェムケア商品 商品の特徴
骨盤臓器脱 フェミクッション
  • 装着後すぐに効果を実感できる
  • 体内に異物を入れないため負担が少ない
  • 継続使用により未装着時の症状改善も望める
骨盤底筋のゆるみ フェミクッション ハピネス
  • 履くだけで骨盤底筋をサポートできる
  • 下着のような見た目でフェムケア商品とわかりにくい

 

トレーニングの効果が出るまでの期間も、フェムケア商品を利用すれば活動的な毎日を過ごせるでしょう。

 

骨盤底筋の衰えにはケア商品の活用を

骨盤底筋が衰えて不快な症状が出ている場合は、ぜひケア商品の活用をご検討ください。トレーニングによる症状改善は、効果が出るまでに時間がかかります。

骨盤臓器脱や骨盤底筋のゆるみによる不快な症状のために外出の機会が減ってしまうと、生活の質が低下するだけでなく、体力や認知機能の衰えにもつながりかねません。

骨盤臓器脱にはフェミクッション、臓器の脱出はないけれど骨盤底筋のゆるみが心配な場合には、フェミクッション ハピネスの利用がおすすめです。骨盤底筋トレーニングも継続しながら、つらい症状を乗り越えましょう。

フェミクッションで骨盤臓器脱による不快症状を解消する
フェミクッション ハピネスで骨盤底筋のケアをする

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

永尾 光一 先生

一般社団法人日本精索静脈瘤協会 理事長
医療法人社団マイクロ会 理事長
銀座リプロ外科 院長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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