パイプカット顕微鏡下手術 ほぼ100%妊娠しない男性避妊術 | 男性不妊治療は銀座リプロ外科            
MEDICAL CONTENT

パイプカット(精管結紮術・精管切断術)とは、男性が行う避妊手術のことです。精管を結紮(結ぶ)または切断し、精子の通り道を塞ぐ避妊方法です。夫婦・パートナーとの間に子どもがいて、これ以上子どもは作らないと希望した方が行う手術で、パートナーとの話し合いが必要です。



Click here for English page
What is vasectomy? Male sterilization that does not require contraceptives and is almost 100% pregnancy-free

 

当院では、パイプカット手術、ならびに過去に受けたパイプカット手術の再建術(もとに戻す)どちらも行っています。手術のご相談は初診のご予約ページからお待ちしています。
 

顕微鏡を使用する理由

陰嚢上部の精索にはたくさんの索状物(血管・神経・筋肉・結合織・精管)があります。顕微鏡を使用することで小さい範囲の手術操作で出血や痛みを少なくします。さらに最も重要なことは、たくさんの索状物の中から精管を確実に見つけ確実に結紮することです。他院でのパイプカット失敗例の再手術を経験しましたが、精管に似た別の索状物を結紮したり、結紮がきちんと行われていない例がありました。
当院では、より高度な顕微鏡下パイプカット再建術を多く手掛けた東邦大学の永尾教授が執刀しますので、精管の特徴を熟知し顕微鏡下で確認するので安心して手術を受けることができます。

執刀医はスーパーマイクロサージャン

また、当院医師はマイクロサージャリーの専門家の中でもスーパーマイクロサージャリー(最も細い0.3mmのリンパ管吻合)も手掛けていますので、より安全で確実な手術を行うことが可能となっています。

当院での日帰り顕微鏡下動脈温存パイプカット手術:7つの特徴

1. 確実に精管であることを顕微鏡下で確認します

精管は断面の壁が厚く、内腔が狭くなっています。他院での失敗例では、似ている別のものを結紮(けっさつ・しばって固定する)していたり、きちんと結索が行われていない例もありました。

 

2. 4重結紮(片側断端2重結紮) を行います

これにより、失敗の少ないパイプカットが実現できます。

 

3. 筋膜で断端を被覆(再開通予防)

同じく、失敗を防ぐための処置です。

 

4. 精管動脈は温存します

これにより、精巣の血流維持、男性ホルモン低下予防が見込めます。

手術後の精管の画像

↑手術後の精管の画像を表示(タップしている間、表示されます)

※術後の患部の画像ですので、お気をつけてご覧ください。

 

5.精管神経を温存します

これにより、術後の疼痛を予防します。

 

6. 精巣上体のダメージ予防のため、上方で精管を切離します

再吻合(パイプカットをもとに戻す)のとき場合に重要であるとともに、術後の疼痛予防にも繋がります。

 

7. 顕微鏡写真を患者様にお渡しします

パイプカット手術の初診予約はこちら

 

パイプカット夫婦

パイプカットとは

パイプカットとは、男性が行う避妊手術で、精管切断術ともいいます。陰嚢を1cm程度切開し、精管を結紮、または切断し精子を通らなくする避妊方法です。
当院ではこの手術を、顕微鏡下で局所麻酔を使用し、日帰りで痛みの少ない手術を行っております。

 
 

どんな場合に行われる手術?

既に子供がいて、これ以上、子供を作らないという人が希望した場合に行う手術です。夫婦で良く話し合った上で決めることが必要です。

 
 

パイプカットのメリット

パイプカットを行う大きなメリットは、以下のとおりです。
 
・避妊具(コンドーム)不要で避妊できる
・お互いに性生活を楽しめる

避妊具(コンドーム)不要で避妊できる

パイプカットを行うことで、避妊具(コンドーム等)を使わずとも避妊できます。
 
性行為は、どうしても妊娠させてしまう可能性があるもの。コンドームをつけていたとしても、妊娠する確率はゼロではありません。コンドームでの妊娠率(避妊の失敗)は約14%あると言われています。
 
その一方で、パイプカットはほぼ100%の避妊効果があるのです。一度手術をすれば半永久的に避妊効果が続きます。妊娠を望まないのであれば、パイプカットはおすすめです。
 
また、中にはゴムアレルギーでコンドームの着用が難しい方もいるでしょう。そのような方も、妊娠を望まないのであればおすすめの治療といえます。

お互いに性生活を楽しめる

パイプカットにより、コンドーム不要で性行為を楽しめます。
 
男性は「妊娠させてしまう」女性は「妊娠してしまう」と不安になる必要がありません。お互いに負担から解放され、性行為に集中できるでしょう。また、コンドームを購入したり装着したりする手間も省けます。

 
 

パイプカットのデメリット

パイプカットを行う主なデメリットは、以下の3点です。
 
・元に戻せる保証はない
・100%確実に避妊できるとは限らない
・性感染症の予防ができない

元に戻せる保証はない

一度パイプカットを行うと、精管を元通りにすることは難しくなります。精管を再びつなげる手術(パイプカット再建術)もありますが、100%元に戻せる保証はありません。また、時間の経過とともに精巣が精子を作る機能が低下することも考えられます。
 
そのため、術後に「やっぱり子どもが欲しい」と思っても、授かれない可能性があるのです。だからこそ、パイプカットはパートナーと将来についてきちんと話し合い、お互い納得したうえで行わなければなりません。

100%確実に避妊できるとは限らない

メリットの章で解説したように、パイプカットはほぼ100%の避妊効果がありますが、100%の確実性はありません。
 
術後、自然に精管がつながるなどの理由で、非常に稀ですが妊娠するケースがあります。そのため、術後の精液検査をお願いしています。

性感染症の予防ができない

コンドームは避妊のための道具ですが、性感染症を予防する効果も併せ持っています。パイプカットにより、コンドームなしでも避妊可能ですが、性感染症の予防はできません。
 
性感染症には、薬物療法で簡単に完治するものもありますが、HIVのように薬を一生のみ続けなければならない病気もあります。性感染症は男性と女性で症状が異なることもあり、女性の場合は自覚症状がないまま進行し、不妊や胎児への感染につながることもあり得ます。
 
コンドームなしで自由に性行為ができるのはメリットですが、それが原因で感染源になってしまうのは本末転倒です。性感染症のリスクをできるだけ下げたいのであれば、コンドームの使用を推奨します。

 
 

パイプカット手術の流れ

当院におけるパイプカット手術の流れをご紹介します。

術前

事前に予約を取り、ご来院ください。
問診、触診、ご希望があればエコー検査をいたします。
医師とご相談の上、手術をご希望であれば、術前検査として血液検査(感染症)をお受けいただきます。

術中

手術は、先生と楽しいお話しをしながらリラックスした状態でお受けいただけます。
切断した精管は、室内にあるモニターでご確認いただけます。

実際に切断した精管の画像を見る

※ 術中の患部の画像ですので、お気をつけてご覧ください。

術後

翌日 シャワー可能
2週間後 入浴可能 飲酒可能 マスターベーションを行い、古い精子を出してください。
1~2ヵ月後  精液検査を行ってください。精子がいないことを確認したら、膣内射精が可能です。
 

費用

  • 初診       5,500円
  • エコー検査    5,500円(任意)
  • 術前検査     22,000円
  • 手術       440,000円
  • 局所麻酔     22,000円
  • その他      22,000円(土日祝日)(1.5時間枠毎)
             110,000円(17時以降夜間費用)

 

診断書・各種証明書発行費用

診断書・各種証明書等発行
8,800円
英文での診断書・各種証明書等発行
1ページにつき17,600円

(税込)

 

女性の避妊手術との違い

男性の避妊手術(精管結紮術)に対し、女性の避妊手術は卵管結紮術と言われ、卵管を結紮することにより、卵巣から排卵で排出された卵子を、精子と出会わなくする手術です。結紮とは、糸で結んで縛ることです。
手術時間は、1時間程度ですが、腹腔内へのアプローチとなるため、全身麻酔下で行われます。
また、合併症などのリスクもあることから、男性の避妊手術よりも、女性の避妊手術は、身体への負担も大きな手術と言えます。

精管結紮術(パイプカット) 卵管結紮術
手術部位 皮膚の下(精管) 腹腔内(卵管)
手術時間 30分〜1時間程度 1時間程度
手術タイミング いつでも可能 経腟分娩後2日後または帝王切開分娩中
入院 不要 必要
麻酔 局所麻酔 腰椎・全身麻酔
危険性 ほぼ無し 有り
身体への負担 ほぼ無し 大きい
副作用 ほぼ無し 有り
術後の痛み ほぼ無し 大きい
避妊率 ほぼ100% ほぼ100%

 
 

パイプカットに関するよくある質問

  • よくある質問手術中に痛みは感じますか?

    局所の麻酔の注射に若干の痛みを伴いますが、その後の痛みはほとんどありません。その理由は、陰嚢の皮膚は感覚が鈍いことに加え、当院の手術は最初から顕微鏡を使用し、丁寧に操作するためです。

  • よくある質問元に戻せますか?

    デメリットの章で解説したように、パイプカット後は100%元通りにできる訳ではありません。
    ただ、パイプカット手術をした後、再婚など状況が変わることや、心境の変化などにより、妊娠を希望するようになった場合、当院ではパイプカット再建術(精管吻合術)を行えます。
    パイプカット再建術とは、精管閉塞部を手術用顕微鏡を使用して再吻合させることで、精管を再通させる手術です。
    当院のパイプカット再建術は、日帰り顕微鏡下で行い、精子出現率91%、精液正常化率47%と最も高い治療成績です。また、当院のパイプカットは精巣機能を温存し男性ホルモン低下を防ぐ為、精管動脈を温存します。再建手術をしやすくする工夫も行なっております。ぜひご相談ください。

  • よくある質問妊娠させてしまう可能性はありますか?

    妊娠させてしまう確率はゼロではありません。精管内に残存精子があるので、術後2か月目に精液検査をお薦めします。それまではコンドームを使用してください。ごく稀にですが、精管の自然再開通の報告があります。念のため毎年精液検査をすることをお薦めいたします。

  • よくある質問感度が変わることはありますか?

    これまでと同じように性交渉を行うことができ、満足度の変化もありません。

  • よくある質問精力が低下することはありますか?

    パイプカットによって、精力が低下することはありませんが、精管動脈も切断してしまうと精巣機能が低下しやすくなり男性ホルモンが低下する可能性があります。

  • よくある質問性交渉はいつから可能ですか?

    性交渉は、手術後の腫れが引いたら可能です。患者さまによって個人差はありますが、1週間程度が目安です。
    ただ、手術後しばらくの間は精液の中に精子が残っている可能性があります。
    精子が無くなるまでの射精回数にも個人差がありますが、15~20回程度が一般的です。精液検査を行い無精子であることを確認するまでは、避妊具(コンドーム)を用いて性行為するようにしましょう。

  • よくある質問傷跡は目立ちますか?

    手術による傷跡は1~2cm程度です。切開する陰嚢はシワが多いので、もともと傷が目立ちにくい部分です。他人がパッと見ただけでは気づきにくいでしょう。

  • よくある質問仕事はいつから可能ですか?

    デスクワークなど、体をあまり動かさない仕事であれば当日からでも可能です。また、ハードな力仕事を除けば、基本的に翌日から行っても問題ありません。

  • よくある質問入浴はいつから可能ですか?

    当日は入浴はもちろんシャワーも厳禁です。翌日からシャワーはできますが、入浴は2週間程度期間をおきましょう。

  • よくある質問メリットは何ですか?

    精液から精子がなくなる以外に身体の変化はなく、性生活を楽しめます。とても高い確率で避妊でき、女性への負担もない避妊法です。

  • よくある質問パイプカットすれば確実に避妊できますか?

    ごく稀ですが、精管が自然に再開通する事例があります。2,000分の1の確率で発生するといわれています。銀座リプロ外科では、顕微鏡下精管吻合を専門にしているため精管の形を熟知して精管と他の組織を間違えることはありません。また、精管動脈を温存し男性ホルモンを造る精巣機能の低下も予防できます。

  • よくある質問手術は痛いですか?

    麻酔の注射の際にチクッとする痛みがありますが、顕微鏡を使用した丁寧で低侵襲な手術なので手術中はほとんど痛みはありません。

  • よくある質問費用はどれくらいですか?

    手術費用は44万円。その他、初診料や検査費用、麻酔の費用などがかかります。保険の適応はありません。



 
 

パイプカットの注意点

パイプカットには以下の注意点があります。

 

・手術後の腫れや痛み
・合併症のリスク

手術後の腫れや痛み

パイプカットは、小さいながらも皮膚を切開する施術です。そのため手術後は、患部に若干ですが腫れが生じたり痛みを感じたりすることがあります。
 
数日で回復するのが通常ですが、症状が落ち着くまで無理しないようにしましょう。もし腫れや痛みが長引いたり強い痛みが生じたりする場合は、すぐにご相談ください。

合併症のリスク

合併症はごく稀ですが、発症する可能性はゼロではありません。手術後に出血や血腫(けっしゅ)が生じることがあります。血腫とは、出血した血液が体外に出ず、体内の組織内に溜まり凝固した状態です。
 
血腫は自然に吸収されることもありますが、量によっては血腫を取り除く処置が必要になります。自己判断で放置せず、気になることがあれば早めにご相談ください。

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

永尾 光一 先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

所属医療機関

一覧ページに戻る

診療・手術一覧

ご予約・お問い合わせ