COLUMN

男性不妊治療・手術の前に行うC型肝炎検査について

「不妊治療」という言葉を聞いて、あなたは誰が治療するものだと考えますか。

以前発表された統計で、6組に1組が不妊に悩んでいるというデータが発表されました。
残念ながら多くの方の認識では、未だ女性だけ治療するものと思われているのが現状です。
しかし医療が発展しつつある現代では、不妊の原因は男女ともにあると言われています。

当院では、手術をお受けいただく患者様に医療安全上お受けいただいております。
検査の項目や方法、C型肝炎を中心とした感染症治療の必要性について、男性不妊治療を専門に扱うクリニックだからこそ伝えたい情報をまとめました。男性が治療を行うことによって不妊が改善されることも多くあるので、不妊治療をお考えの方はぜひご一読ください。

 

C型肝炎とは?

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)によって肝臓に炎症が起きる疾患です。血液を介して体内にウイルスが入ることで、肝炎を発症します。

C型肝炎は治療せずに治ることもありますが、約70%の感染者は症状が継続して、慢性肝炎・肝硬変・肝臓ガンになると言われています。

肝炎にはA型・B型・C型・D型・E型など複数の種類がありますが、日本ではB型肝炎とC型肝炎の患者が多いのが特徴です。C型肝炎はB型肝炎よりも慢性化しやすく、慢性肝炎の約70%がC型肝炎患者で、「21世紀の国民病」と呼ばれることもあります。

沈黙の臓器とも呼ばれる肝臓は、自覚症状なく重病化することが多いので注意しなければなりません。現在C型肝炎の患者は、世界で約1億7,000万人いると言われ、日本でも150~200万人の感染者がいると推測されています。

C型肝炎は自覚症状が少なく、慢性化しやすい病気です。しかし適切な治療を行えば、多くの場合完治する病気なので、早めの発見と治療が大切になります。早期発見のためにも、定期的な検査を行いましょう。

 

C型肝炎の症状について

C型肝炎患者は、無症状であることが多いです。沈黙の臓器である肝臓は、症状が出ることも少なく、気づいたときには重症化しているケースが複数あります。

しかし中には、2週間~6か月の潜伏期間を経て、以下のような症状が出ることもあります。

  • ・発熱
  • ・疲労感
  • ・食欲不振
  • ・腹痛
  • ・嘔吐
  • ・関節痛
  • ・黄疸
  • ・暗色尿

上記のような症状が出た場合には、早めに受診することをお薦めします。

しかし、C型肝炎になって症状が出るのはごく稀です。肝炎が慢性化した場合、疲労感が長く続くこともあるので、日頃から自身の健康状態を把握しておくことや、不調が出た場合にすぐ気づけることが重要です。

 

症状と経過について

C型肝炎は2週間~6か月の潜伏期間のあと、肝炎を発症します。

急性肝炎の場合、多くは無症状で感染の自覚はありません。感染者の15~40%ほどの人は、自覚がないまま自然と体内からウイルスが排除されます。

しかし、残りの60%~80%ほどの感染者は気づかないうちに慢性化し、慢性肝炎になる可能性があるので注意が必要です。といっても、中には数十年もの間、症状が出ないこともあるので、早期に発見することが困難な病気でもあります。

慢性肝炎になっても適切な治療を行わずにいると、20~30年後には肝硬変に進行します。
肝硬変まで進行した場合に出現する主な症状は以下の通りです。

  • ・手掌紅斑(手のひらの赤み)
  • ・黄疸
  • ・むくみ
  • ・腹水(お腹に水がたまる)
  • ・鼻血
  • ・出血が止まりにくい

上記が肝硬変の状態の主な症状です。もちろん自覚症状がないこともあります。

肝硬変にあると、食道静脈瘤を合併することも多いです。食道静脈瘤は、食道粘膜の下にある静脈が膨れて、コブのようになってしまう病気です。破裂すると、吐血・下血といった症状が出て、命に関わることもあります。

肝硬変には2種類あり、症状が軽度で、肝臓の働きを保っているものは「代償性肝硬変」、様々な合併症があるものは「非代償性肝硬変」と言います。非代償性肝硬変は、肝臓がんになる可能性が高く危険な状態ですが、代償性肝硬変の状態も安心なわけではありません。

代償性肝硬変の場合は、肝臓の機能が正常よりも低下していて、肝臓が無理に働き続けている状態です。この状態が続くと、肝臓が本来の働きを保てなくなり、非代償性肝硬変へと進行してしまいます。よって、現在の肝臓の状態を正しく理解する必要があります。

また、肝硬変患者の約7%は肝臓ガンを合併しています。肝臓ガンの主な症状は以下の通りです。

  • ・しこり
  • ・痛み
  • ・圧迫感

肝臓ガンがさらに進行すると肝不全となり、黄疸や腹水の症状がさらに重くなります。進行具合によっては、発熱や腹痛などの症状も出るため、早めの治療が必要です。

 

不妊症治療・手術前に何故行う?

不妊症治療・手術前に何故行う?

不妊治療が始まる前に行うスクリーニング検査の中に、感染症の有無を調べる検査があります。この中に肝炎検査も含まれていて、B型肝炎とC型肝炎が対象です。

B型肝炎は感染力が強く、母子感染の可能性がほぼ100%なので、検査をしてウイルスの有無を調べなくてはいけません。しかしC型肝炎は、B型肝炎に比べてさほど感染力は強くなく、感染する確率も10~20%です。ではなぜC型肝炎も対象なのでしょうか。

検査をする理由は、女性や男性の健康と胎児への感染を防ぐためです。

症状が出ていなくてもC型肝炎ウイルスを持っている場合は、慢性化や重症化の可能性があります。場合によっては早急な治療が必要になることもあるので、パパやママになろうとしている方々の健康を守るためにも必要な検査です。

また、C型肝炎は母子感染率が低いだけで、全く無いわけではありません。女性が感染している場合は、出産時の母子感染を防ぐために事前の準備が必要です。血液を介して感染するので、ウイルス量によっては、分娩方法にも考量する必要があります。

また、医療従事者の健康や院内感染を防ぐためにも検査は必要です。治療や手術を行う前に、感染する恐れのある病気の有無を把握することによって、より安全で安心な医療の提供につながります。

 

その他に行うスクリーニング検査について

C型肝炎以外にも事前に調べる項目は複数あります。
不妊治療前に行うスクリーニング検査は女性と男性で異なり、中には複数回検査する項目もあるので、医師とのスケジュール調整が必要です。

女性が行う検査は、月経周期に関係のあるものとないものがあります。
周期に関係なく行う検査は以下の通りです。

  • ・感染症検査(B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIV・風疹抗体)
  • ・生体情報検査(身長・体重・血圧・脈拍)
  • ・子宮頸がん検査
  • ・クラミジア検査
  • ・一般検査(肝機能・腎機能・糖尿病・高脂血症など)
  • ・抗精子抗体検査
  • ・抗ミュラー管ホルモン検査
  • ・経膣超音波検査

などがあります。

クリニックによって行う検査項目に違いがあることもありますが、どの検査も、現在の健康状態や不妊の原因となる疾患を調べるために必要な検査です。

女性は上記の検査に加えて、月経周期によって次のような検査も行います。

低温気

  • ・ホルモン検査
  • ・超音波卵管疎通検査

排卵期

  • ・フーナーテスト

高温期

  • ・超音波検査
  • ・ホルモン検査

周期によって行う検査が異なるため、複数回の通院が必要になってきます。

一方、男性が行う検査は以下の通りです。

  • ・感染症検査(B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIV)
  • ・精液検査
  • ・ホルモン検査
  • ・超音波検査 …など

女性に比べると男性の検査項目は多くありません。しかし、検査項目の中で最も重要な精液検査に関しては、複数回行う必要があります。不妊症の原因が男性側にあることもあるので、超音波や触診で精索動脈瘤の有無や、ホルモン検査で下垂体性性腺機能低下症の有無を調べます。

男性不妊原因の約4割が精索静脈瘤であると言われ、この病気は精巣や精索の部分に静脈瘤が出来てしまう疾患です。また下垂体性性腺機能低下症は、不妊原因として多くはないものの、性ホルモンが上手く分泌されない病気で、不妊症の原因につながる恐れがあります。
こういった疾患が分かれば治療ができるので、男性の場合もスクリーニング検査は必要です。

男女ともに上記の検査だけでなく、必要に応じて検査項目が増えることがあります。
また、不妊治療の経過によって新たな検査が必要になってくることもあるので、医師やパートナーとの相談が大切です。

 

男性不妊治療・精索静脈瘤手術は銀座リプロ外科へ

以前は、今ほど不妊治療が普及していなかったこともあり、不妊は女性側に問題があると考えられてきました。しかし現在では、約半数近くの割合で、男性にも原因があることが分かっています。そのため、不妊治療を始める際は女性だけ受診するのではなく、男性も受診することが重要です。

しかし、まだ男性の不妊治療に特化しているクリニックは多くありません。クリニック選びが困難なこともあると思います。そういった時はぜひ、銀座リプロ外科にお越しください。

銀座リプロ外科は東京駅や銀座駅からほど近く、交通の便が優れています。その上、完全予約制・個室での診療を行っており、患者様のプライバシーに最大限配慮したクリニックです。

当院は、経験豊富な医師や高度な技術が揃っていますので、男性不妊の原因でもある精索静脈瘤の日帰り手術も可能です。男性不妊治療に力を入れているからこそできる手術も複数ありますので、ご不安なことがありましたら、一度お問い合わせください。
提携のクリニックも多数ありますので、ご要望に沿ったお手伝いをさせていただきます。

不妊治療をお悩み・お考えでしたら、ぜひ当院までご相談ください。

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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