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男性ができる避妊法とは?避妊法の種類や特徴を解説

避妊の方法は、女性側が行うものと思ってらっしゃる方もいると思います。本来であれば避妊は双方で行うものですが、男性が行う避妊の方法はあまり知られていません。

実は以前から、男性が出来る避妊手術も存在しており、女性の避妊手術よりも負担が少なくて済むケースが多いのです。

そこで今回は、男性が行える避妊の方法について解説いたします。広く知られているコンドームの使用以外にも、成功率が高い男性避妊手術も紹介いたしますので、パートナーがいる全ての方に当記事をお読みいただき、避妊について改めてお考えいただけると幸いです。

男性ができる避妊法の種類

男性側が行える避妊の方法は、現状3つしかありません。

1つ目はコンドームの使用です。
比較的安価で手に入れやすいコンドームは、代表的な避妊方法として広く認知されています。しかし、正しく使用していなければ効果が得られず、正しく使用していたとしても必ず避妊が成功するわけではありません。男性・女性共に、コンドーム使用時の不快感が生じる場合や、ラテックスアレルギー(ゴムアレルギー)によって使用が難しい方もいますので、全ての方に最適な方法とは言えないでしょう。

2つ目はリズム法です。
女性の月経周期に合わせて性交を行うのがリズム法で、妊娠を望む場合によく用いられます。避妊目的の場合は、妊娠しやすい排卵日やその前後の日を避けることで、避妊を狙う方法です。ただし、あくまでも妊娠しにくい時期というだけなので、必ずしも避妊に成功するとは限りません。

3つ目の方法はパイプカットです。
パイプカットは男性側が行う避妊手術で、陰嚢を切開し精管を結紮(けっさつ)あるいは切断します。こうすることで精子が通らないようになり、高い確率で避妊が成功します。パイプカットは手術ですので、メリット・デメリットを理解した上で検討しましょう。

上記の3つが、男性が行える避妊の方法です。

現在、新たな避妊の方法として、男性が飲む避妊薬の研究が海外で進められています。過去にも男性用ピルの開発は行われていたようですが、副作用の問題で発売には至りませんでした。

▼パイプカット施術について詳しくはこちらをご覧ください
パイプカット手術 ほぼ100%妊娠しない男性避妊術

パイプカットを受けるメリット

男性が行う避妊方法の中で、一番避妊の確率が高いものがパイプカットです。パイプカットの手術には、以下のようなメリットもあります。

  • コンドームを使用する必要がない
  • 男性と女性のどちらも性交を楽しめる

パイプカット後は、コンドームを使用する必要がありません。コンドームの購入や装着の手間を省くことが出来ますので、ラテックスアレルギーの方はもちろん、そうでない方もコンドームの不快感から解放されるでしょう。

さらに、双方の妊娠に対する不安を取り除くことが出来ますので、より性交に集中することが出来ます。素敵な性生活を楽しめることでしょう。

パイプカットを受ける注意点

複数のメリットがある一方で、パイプカットには注意すべき点もあります。具体的な注意点は以下の通りです。

  • 元に戻すには、限られた医師しか行うことができない
  • 必ず避妊できるわけではない
  • 感染症の予防はできない

パイプカットでは、精管の一部を切断しています。再建するには高度な技術と経験が必要になるため、限られた医師しか行うことができません。再建手術での精子出現率90%ですが、10%で精子が出現しません。既に子供がいてさらに子供を望まない場合のみパイプカットは可能です。事前に、パートナー間でしっかりと話し合って下さい。

また、パイプカットは避妊の成功率がほぼ100%ではありますが、必ず成功するわけではありません。正しい術後を過ごさなければ妊娠につながることもあります。

術後はマスターベーションを複数回行い、精管に残っている精子を全て排出した上で精液検査を行ってください。検査で精子が確認できなければ手術成功となります。

パイプカットの手術が成功すればコンドームは不要ですが、コンドームには性感染症予防の効果もありますので、使用しなければ性感染症の予防はできません。

性感染症を女性に移してしまうと、不妊や胎児に影響する可能性があります。予防のためには引き続きコンドームを使用すると良いでしょう。

▼関連記事:パイプカット再建術について
https://ginzarepro.jp/sinryo/pipe-cut-reconstruction/

パイプカットのよくある疑問・質問

パイプカットのよくある疑問・質問

パイプカットについて、よくお寄せいただく質問等をまとめました。

〈性交は術後いつ頃から可能ですか〉

性交自体は患部の腫れが引いたら可能です。個人差がありますが、1週間前後です。ただし、精管の中に精子が残っているため、妊娠の可能性があります。術後は、マスターベーション等で20回程度射精した後、2か月後に精液検査を受けて無精子であることの確認が必要です。無精子が確認できるまでは性交時にはコンドームを使用してください。

〈副作用はありますか〉

パイプカットは精管を結紮あるいは切断する手術です。精力や勃起力、感度が衰えるなどといった副作用はありません。もちろん、精液量の減少や、女性らしくなってしまうといったこともありませんのでご安心ください。ただし、精管動脈を温存しない手術では精巣機能低下(男性ホルモン低下、造精機能低下)の可能性があり、精巣近くでのパイプカットでは、慢性の精巣上体炎(痛みの持続や精巣上体管の閉塞の原因)になる可能性があります。

〈術後元に戻すことはできますか〉

当院では、状況や心境の変化によって妊娠を望むようになった方に、パイプカット再建術を行っています。この手術を行えば、精管を再通させることが可能です。当院では高い治療成績(精子出現率90%)がありますが、それでも100%ではありません。パイプカットする前によくパートナーと話し合いましょう。

〈パイプカットは誰でもできますか〉

パイプカットは避妊手術となっており、以下のような方のみ手術が可能です。

  • 成人の方
  • お子様が1人以上いる方
  • パートナーの同意が得られている方
  • 子供を望まない方

パイプカットは避妊目的のため、パートナーの同意は不可欠です。避妊の理由は様々ですが、子供を望まない方のみ受けていただくことが出来ます。

〈術後のダウンタイムはありますか〉

切開する陰嚢は元々シワが多い部分ですので、術後の傷跡は気になりません。しかし、陰嚢の一部を切開するため、患部に腫れや痛みが生じる可能性があります。一般的には数日で収まりますが、症状が長引くようでしたら担当医師までご相談ください。

稀に合併症を引き起こすこともありますので、患部に出血や血腫が生じた場合も、クリニックにご連絡ください。状態によっては処置が必要となりますので、自己判断は危険です。

術後の仕事復帰に関しては、デスクワークであれば手術当日から可能です。重労働の場合を除いて、手術翌日からお仕事に復帰していただいて構いません。シャワーは手術当日は避け、翌日以降可能です。

手術の流れ

パイプカット手術の流れは以下の通りです。

1.事前準備

事前に問診や触診・エコーでの検査も行います。診断結果をもとに、手術の可否を決めます。手術をご決断された場合は、術前検査として血液検査をお願いします。

2.手術

パイプカットは局所麻酔を使用しますので、医師と雑談を楽しみながらリラックスした状態での手術が可能です。当院では、手術用顕微鏡を使用し、精管動脈の温存、精巣から少し遠位での切断、3種類の再開通予防策を行っております。患者様に精管を確実に切断した証として精管切断端の顕微鏡写真をお渡ししています。

3.手術後

パイプカットは日帰り手術です。医師からお伝えする注意事項を必ずお守りいただき、術後をお過ごしください。

術後は、2週間程度でマスターベーションが可能です。複数回射精し、2か月後に精液検査を行ってください。無精子のことが確認できましたら、パイプカット手術の完了です。

まとめ-パイプカットなら銀座リプロ外科-

今回は男性が行える避妊方法について紹介しました。避妊は女性が行うものと思われがちですが、女性が行う避妊手術は全身麻酔を使用するものが多く、体への負担も大きくなります。それに比べてパイプカットなら、局所麻酔での日帰り手術のため、女性の避妊手術に比べると負担は軽いでしょう。

リンパ管の再建手術は、非常に細い血管やリンパ管をつなぎ合わせる高度な技術を必要とする手術です。

パイプカットは、一度行うと元に戻すことが困難と一般的に言われていますが、再建が必要になる場合があります。そういった万が一に備え、当院のパイプカットは、再建術を行いやすくするために精管動脈を温存し、精巣から少し遠位でのカットを行っています。当院は再建術(精子出現率90%)も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

銀座リプロ外科では、高難度な術式であるマイクロサージャリーを得意としている永尾医師をはじめ、経験豊富なスタッフが多数在籍しています。避妊手術はもちろん、男性の不妊治療も専門で扱っておりますので、避妊・不妊のお悩みは当院にお任せください。

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

永尾 光一 先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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