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Corpus Cavernosa Injections

 

陰茎海綿体注射は、以下のような方が対象です。

  • ・ED薬を試したが効かない
  • ・前立腺がんの手術をしてEDになった
  • ・糖尿病になったあとにEDになった

ED薬が効かないのはなぜ?

ED薬(バイアグラ・レビトラ・シアリス)が効かない…原因と対策ついて詳しくはこちら
 
ED薬が効かない場合、まずは使用方法が適切であったかどうかをチェックする必要があります。内服したが性的刺激がなかった場合、飲酒していた場合、内服の時間が適切でなかった場合、食事(特に油物)を食べた後の内服、薬の副作用がある場合、容量が少ない場合などがあります。また、性欲障害、射精障害、オーガズム障害など、適応が誤っている場合などもあります。
 

ED薬以外の治療方法

対策をしてもED薬が効かないときの対処法ついて詳しくはこちら
 
ED薬が効かない場合の対処法としては、陰圧式勃起補助具(バキュームディバイス)、プロスタグランジンE1の陰茎海綿体注射(注)、男性ホルモン補充療法、陰茎形成術、血管手術、陰茎プロステーシス移植手術などがあります。

(注)パパベリンを使用した陰茎海綿体注射は、持続勃起症や陰茎海綿体の線維化を起こしやすい薬剤のため、日本性機能学会陰茎海綿体注射認可推進委員会のメンバーは使用しておりません。

その上で、ED薬が効かなかった場合の第一選択肢として、陰茎へのプロスタグランジンE1注射が有る旨にふれる。

中でも、プロスタグランジンE1の陰茎海綿体注射は、ED薬が効かない場合の第一選択肢となります。
前立腺癌術後EDや糖尿病性EDなどにも使え、既に諦めていただ患者様でも通常の性交渉を行っていただけます。
 

陰茎海綿体注射とは?

欧米では、陰茎海綿体自己注射が、かなり普及しています。
陰茎海綿体にプロスタグランジンE1を注射し、勃起させる方法で、海外の報告では有効率82%(Otto ILら)です。
また、プロスタグランジンE1は、海綿体の線維化の少ない薬剤でもあります。プロスタグランジンE1は世界の標準治療に使用されていますが、それ以前に使用されていたパパベリンは、持続勃起症や陰茎海綿体の線維化を起こしやすい薬剤です。日本性機能学会陰茎海綿体注射認可推進委員会のメンバーはパパベリンを使用していません。

また、本邦では、日本性機能学会ICI認可推進委員会が中心となり各施設での自主研究を進め、厚生労働省に働きかけています。最近、労災認定の検査項目として正式に認められましたが、薬剤の勃起障害への適応拡大は認められていません。国の認可を得ていませんので、自己責任で行う治療となります。
 

プロスタグランジンE1とは

プロスタグランジンE1は、慢性動脈閉塞症や閉塞性動脈硬化症、また小児の動脈管依存性先天性心疾患などにも使われており、薬の安全性・有効性については問題ありません。陰茎海綿体注射においても、きちんと使用すれば安全なお薬です。
 

陰茎注射の方法

薬液の作り方は、診察時に医師より詳しくご説明させていただいております。

      陰茎の横を消毒綿で拭きます。
      左手で陰茎を伸ばし、注射器を右手でもち、血管のないところを狙って陰茎の横から注射します。針は根元まで刺します。
      ゆっくりピストンを押し、薬液を注射します。入りにくい場合は1~2mm前後させて入りやすいところを探します。
      すべて薬液が入ったら、針を抜き刺した部分を1分間以上(血が止まるまで)押さえて止血します。

※医療ゴミは、次の診察時にお持ちいただき、当院で廃棄しております。使用した注射器・アンプルは密閉できるケースに保管していただきます。
 

副作用はある?

陰茎海綿体注射の副作用は、陰茎痛50%、持続勃起症(4時間以上)6%、海綿体線維化2%、不整脈・めまい・顔面紅潮など1%です。また、副作用ではありませんが、陰茎痛や不自然さのため脱落する人も多くいらっしゃいます。
 

EDの原因によって異なる合併症

診察時に、きちんとテストをするので問題ありませんが、この陰茎海綿体注射は、稀に、勃起が持続的に続いてしまう、持続勃起症になる危険性があります。そのため、適正な薬剤の量で正しく使用することが大切です。
前立腺癌手術後EDの患者様の場合、血管障害のある場合は少なく、持続勃起症が発生する可能性があります。一方、糖尿病性EDの患者様の場合は、血管障害があるため持続勃起症にはなりにくいです。
 

陰茎注射でもダメなら…陰茎プロステーシス手術

ED薬が効かない場合は、陰圧式勃起補助具(バキュームディバイス)、プロスタグランジンE1の陰茎海綿体注射、と様々な方法がありますが、これらのED治療が無効か適応外の場合は、陰茎プロステーシス移植手術を行います。勃起障害(ED)の治療法の最後の治療手段が陰茎プロステーシス手術です。
この陰茎プロステーシス手術は、正常の勃起で血液が充満する場所である陰茎海綿体内に通常移植されます。
陰茎プロステーシスは2つのタイプがあり、1つは棒状で曲げ伸ばし式のノンインフレータブルタイプ。もう一方は、水の移動によるポンプ式のインフレータブルタイプです。

ノンインフレータブルは、手術も専門医であれば比較的簡単で、日帰りで局所麻酔で行えます。費用は、手術の費用に材料費がかかります。こちらの材料は、日本では認可されていないもので、アメリカより医師が個人輸入しますので、実費を先生にお支払いいただく必要があります。

インフレータブルは、入院で全身麻酔での手術となります。材料も高額で、手術費用と合わせると、車一台を購入できる程度となります。

いずれも手術が成功すれば、ほぼ100%で性交可能ですが、感染した場合は摘出する必要があります。

陰茎プロステーシス手術は、一度入れてしまうと、その後他の治療の選択は無くなります。
術後トラブルも多く、きちんとした施設、実績のある医師による手術をお受けいただく必要があります。
尚、当院の医師は、既に200名以上の実績があり、合併症やトラブルの心配はなく、皆様安心してお受けいただいております。

費用

初診
5,500円
検査
11,000円(初回のみ)
検査用薬剤
5,500円(初回のみ)
処方(1回分)
5,500円

(税込)

 

よくある質問

  • 陰茎注射でのED治療は保険適用外ですか?

    陰茎海綿体注射は、自己責任で行う治療のため、保険は使えず、全て自費となります。

  • 注射は痛いですか?

    痛みに関しては個人差があります。しかし多くの患者様がこの治療の恩恵を受けていて、満足の行く夫婦生活を送られています。

  • 陰茎注射で勃起できなければ他の治療法はありますか?

    陰茎海綿体注射が無効となった場合には、陰茎プロステーシス移植手術をお薦めしています。棒状のノンインフレータブルであれば、日帰りで1時間程の手術で、簡単にお受けいただけます。多くの方が満足の行く性生活を送られています。

  • どのような場合に海綿体自己注射を検討すべきですか?

    内服薬で効果が出ない方や既往症の関係で内服薬が使えない方、前立腺全摘出や大腸の手術などで神経を切除された方などです。
    前立腺がんの術後EDや糖尿病性EDなどにも使えます。陰茎プロステーシス移植手術より先に行う治療法です

  • 効果は必ず出ますか?

    必ずではありませんが、有効率82%という報告があり、有効性の高い治療です。ED治療薬が無効な方でも50%で有効です。

  • 海綿体自己注射を打って性的刺激があると勃起するのですか?

    ED薬のように性的刺激で勃起するわけではなく、無意識に勃起します。さらに、陰茎の性的刺激を追加すると効果が高まります。

  • どのような副作用がありますか?

    副作用は、外国の報告では陰茎痛50%、持続勃起症(4時間以上)6%、海綿体線維化2%、不整脈・めまい・顔面紅潮など1%です。
    プロスタグランジンE1を使用すれば、陰茎痛・海綿体線維化・持続勃起症が少なくなります。

  • 海綿体注射の方法は難しいですか?

    薬剤の作り方や注射の方法は、医師から詳しく説明いたします。手が不自由な場合を除いて難しいものではありません。

  • 海綿体自己注射は痛いですか?

    痛みには個人差がありますが、髪の毛ほどの細さの針で少量の薬剤を注入するため痛みは少ないです。
    注射時の痛みを理由に治療を脱落される方はほとんどいらっしゃらず、多くの患者様が治療の恩恵を受けています。

  • 効果はどのくらい持続するのでしょうか?

    注射後5~10分で勃起し始め、個人差がありますが60~120分の間持続します。

  • 持続勃起症とは何ですか?

    海綿体注射で稀に起こる合併症です。硬くパンパンの状態の勃起が4時間以上続いた場合を持続勃起症といいます。
    海綿体注射による持続勃起症は、陰茎海綿体内の血液の戻りが悪く虚血状態になる静脈性持続勃起症で、
    海綿体内の組織が虚血に陥り発症から6時間で組織が壊死し始めます。早急に処置が必要です。プロスタグランジンE1よりもパパベリンを使用した場合に起こりやすいです。

  • どうして保険が適用されないのですか?

    日本ではまだ認可されておらず、自己責任で行う治療であるためです。欧米諸国では認可され、かなり普及している治療法です。

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

永尾 光一 先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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