男性不妊症とは?原因や検査・治療方法を解説 | 男性不妊治療は銀座リプロ外科            
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男性不妊症とは?原因や検査・治療方法を解説

不妊の原因は女性だけではなく、男性に問題がある場合があります。
精子数の問題や射精障害など、診療によって妊娠しづらくなっている原因を探り、治療を行います。
その他、勃起障害やパイプカットなども含め、幅広く診療を行っています。

男性不妊症とは

男性不妊48%、女性不妊50%、夫婦療法2%

男性不妊とは、不妊の原因が男性側にあるケースのことを指します。WHOの定義では、「1年間の不妊期間を持つもの」を不妊と定義しています。
また、同じくWHOの不妊症原因調査では、男性不妊48%、女性不妊65%、夫婦両方24%と、男性に原因がある場合が珍しくありません。

男性不妊治療の治療方法にはさまざまな方法があります。生活習慣の改善や補助的療法は日々の生活に組み込むことができますが、対処療法や根本的治療には、医師の力が必要です。

ただし、対処療法では男性自身の生殖機能を改善しているわけではないため、二人目、三人目を考える際にも、再度治療が必要です。そのため、当院では根本的治療をおすすめしています。

男性不妊症になりやすい人の特徴

男性不妊になりやすい人は、睾丸の見た目や、これまでの病歴、生活習慣などに特徴があります。

見た目の特徴

  • 睾丸が小さい、あるいは思春期よりも小さくなった
  • 柔らかく張りがない
  • 精巣の上にコブのようなものがある(精索静脈瘤)
  • 睾丸が鼠径部(脚の付け根)に近い位置にある

精巣が小さくなった人、柔らかい人は、精子を作る機能(造精機能)に問題が生じている可能性があります。

また、精子は熱に弱いため、精子を作る精巣は体外にあり体温で温まりすぎないようになっていますが、精索静脈瘤がある場合や、鼠径部付近に陰嚢がある場合は、温かい血液で精巣があたためられて精子が作られにくくなることがあります。

いずれも造精機能障害によって精液所見が悪くなり、男性不妊の原因となります。

病歴など

  • 鼠径ヘルニアの手術歴がある
  • おたふく風邪などで高熱がでて精巣が腫れたことがある

鼠径ヘルニアの手術によって、精子の通り道をふさいでしまっている可能性があります。また、おたふく風邪に限らず高熱が出た際に精巣付近が炎症を起こしたことがある場合は、造精機能障害が起きていることがあり、男性不妊の原因となります。

生活習慣

肥満や喫煙、睡眠不足や食生活の乱れなど、生活習慣も精液所見に影響することがあると考えられています。
これらの特徴に当てはまる場合は男性不妊になりやすいため、一度クリニックで詳しい検査を受けることをおすすめします。

男性不妊症の原因・種類

男性不妊と一口で言っても、大きく分けると「造精機能障害による不妊」と「造精機能障害以外の不妊」の2種類に分けることができます。

造精機能障害による不妊

男性不妊の主な原因は精巣機能低下により総運動精子数が減少することで受精が難しくなることです。
精巣機能が低下する理由は多岐にわたりますが、ここでは一般的なものを紹介します。
造精機能障害の原因や治療方法についてはこちらから

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)

男性不妊症患者全体の約40%に認められるのが「精索静脈瘤」です。精索静脈瘤とは、精巣やその上の精索部に静脈瘤(静脈の拡張)が認められる症状のことを指します。

精索静脈瘤は、一般男性の15%、男性不妊症患者の40%以上に認められ、後天性の男性不妊症(二人目不妊)の78%の原因です。
精索静脈瘤が認められれば手術により精液所見の顕著な改善が期待できます。

当院では、年間800例を超える精索静脈瘤手術をいたしております。
また、当院で主に執刀される永尾医師はナガオメソッドにより15年以上、精索静脈瘤手術をしており、その累計施術件数は10,000例以上となります。

無精子症

無精子症は大きく分けて「閉塞性」と「非閉塞性」の2つに分類されます。

閉塞性無精子症とは、精巣で精子は作られていますが、精管が詰まっていて出てこない状態を言います。治療が可能は場合は、精路再建術、再建が不可能な場合は、顕微鏡下精巣内精子採取術を行い、その後、顕微授精を行います。

非閉塞性無精子症は、精巣内で精子が作られていない状態です。原因については様々ですが、先ずは血液検査でホルモン検査を行います。その結果異常がない場合は、顕微鏡下精巣内精子採取術を行い、精子が見つかれば顕微授精が可能です。
また、ホルモン検査の結果、必要と判断された場合は、染色体検査(Gバンド法)とY染色体微小欠失(AZF)検査を行います。染色体異常やY染色体に欠失が有る場合は、治療はできません。

乏精子症・精子無力症

乏精子症とは、精液中の精子が少ない状態に対し、精子無力症とは、精神の運動性が悪い状態で、両方が併発して起きていることもあります。

乏精子症・精子無力症は精索静脈瘤が原因であることが多いです。その場合は、手術をすることで精液の改善が期待できます。精索静脈瘤がない場合は、医療用コエンザイムQ10 100㎎(日内服)またはクロミフェン25-50㎎(日内服)をお薦めしています。

造精機能障害以外の不妊

造精機能障害以外の不妊では、EDが原因であることが多くあります。加えて、不妊治療のタイミング法でEDになるケースも多くあります。
そのような場合には、ED治療薬で改善します。

また、マスターベーションで射精することができても、膣内射精できない、膣内射精障害の方も多く見受けられます。この様な場合は、性交時に一度陰茎を抜き、カップに射精し、その後、注射器(針なし)で精液を膣に注入するなどの方法があります。

そのほか、男性不妊につながりやすい原因

精巣は体温より2~3度低い状態で機能します。精巣を温めると、機能が低下します。
以下のことにご注意ください。

  • 喫煙
  • 長風呂
  • サウナ
  • ピッタリしたパンツ・下着

また、ストレスや体調不良、肥満なども、精液所見を悪化させます。
発毛薬のプロペシアの服用も、精液所見を悪化させますので、不妊治療中は服用しないでください。
男性不妊の特徴、見た目や自覚症状についてはこちらから

検査方法

検査方法は精液検査とそれ以外に分類されます。

精液検査

精液検査は、3日間の禁欲で、院内採精をお薦めします。正常値は、精液量1.4ml以上、精子濃度1600万/ml以上、運動率42%以上です。
精液検査の結果の見方についてはこちらから

※当院では精液検査は実施しておりません。精液検査をご希望の方は、東邦大学大森病院をはじめ、提携の医院をご紹介いたします。

精液検査以外の検査方法

触診
エコー検査
ホルモン検査
染色体検査・Y染色体の遺伝子検査(必要に応じて)

治療方法

男性不妊治療の治療方法にはさまざまな方法があります。生活習慣の改善や補助的療法は日々の生活に組み込むことができますが、対処療法や根本的治療には、医師の力が必要です。

男性不妊に関する治療方法について医学的な観点を分かりやすく紹介した動画も合わせてご覧ください。

 

根本的治療※ 対症療法 補助的療法 生活習慣の改善
生殖機能 改善 不変・低下 不変・軽度改善 不変・軽度改善
医学的根拠 高い 高い 低い 低い
方法 ・精索静脈瘤手術
・ナガオメソッド
・精路再建手術・低コナドトロピン性性腺機能低下症治療
・人工授精
・体外受精

・顕微授精
・精巣内精子採取術(TESE)→ 生殖機能は手術で低下
・サプリメント(CoQ10・ビタミン剤などの抗酸化薬、亜鉛など)・漢方薬

・ホルモン薬

・禁煙
・長風呂を避ける
・サウナを避ける
・トランクスをはく

※ 男性不妊での有病率

根本的治療

男性不妊の根本的な治療法には、精索静脈瘤手術(ナガオメゾッド)、精路再建術、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症治療がありますが、有病率から考えると、一般的には精索静脈瘤手術(ナガオメゾッド)が生殖機能を改善させる唯一の方法と言えます。

当院では、年間800例を超える精索静脈瘤手術をいたしております。
また、当院で主に執刀される永尾医師はナガオメソッドにより15年以上、精索静脈瘤手術をしており、その累計症例数は10,000例以上となります。

 

精路再建術は、精巣で精子を作っていますが、精子の通り道が閉塞していて、再建可能な場合に行います。有病率は2%と、比較的少ないです。

原因は、以下のものがあります。

  • 両側精巣上体炎
  • 両側鼠径ヘルニア手術後の合併症
  • 射精管閉塞
  • パイプカット

※ 当院では、パイプカット再建術のみ行っています。

低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の有病率は、0.0001%と稀な疾患です。
主に精巣を刺激する下垂体ホルモン(性腺刺激ホルモン)の低下により、男性ホルモンの低下や、精子形成不全となる疾患です。子の疾患に、嗅覚障害を伴う場合をカルマン症候群と言います。治療は、下垂体ホルモンの自己注射が有効です。

対症療法

対症療法では、不妊の原因の治療をせずに、妊娠を目指します。人工授精や体外受精、顕微鏡受精、精巣内精子採集術(TESE)があります。

ただし、これら治療は男性の精液所見により決まるため、ご主人様に精索静脈瘤が無いかという確認をしてから臨まれることをお薦めいたします。
精索静脈瘤があると、精子の遺伝子(DNAや染色体)がダメージを受け、精液が悪くなります。治療することにより、顕微授精、人工授精、体外授精、自然(タイミング)、全ての方法において、妊娠率、出産率が上昇し、流産や奇形のリスクを減少します。

また、精巣内精子採取術(TESE)は、手術操作によって生殖機能を低下させます。

補助的療法

補助的療法では、薬や漢方、サプリメントやホルモン薬を用いて治療を行います。

補助的療法は、医学的根拠が低く、あくまでも他の治療と併用して行うことをお薦めします。
サプリメントとしては、コエンザイムQ10 1日100~200mgの服用をお薦めしております。

男性不妊は見た目で分かる?

精索静脈瘤の場合は触ったり、場合によっては陰嚢の凹凸や腫れを目視で確認することができます。

グレード 症状
グレード1 立った状態で腹圧負荷をかけた状態で触り、確認できる
グレード2 立った状態で触り、腫れていることがわかる
グレード3 陰のうが凸凹している、腫れていることが見てわかる

男性不妊を見た目で判断する方法について、くわしくは「男性不妊の特徴、見た目や自覚症状で分かる?」をご覧ください。

男性不妊治療は何科で行われる?

不妊を専門としている泌尿器科の受診をお薦めいたします。
精索静脈瘤は男性不妊の重要な疾患であり、検査は診察とエコー検査で短時間で行うことができます。治療も早期に日帰り手術が可能です。精索静脈瘤を治すと、女性の負担が軽減されます。精索静脈瘤検査が、不妊治療の第一歩です。

男性不妊の治療として泌尿器科に行くべき理由については、以下の動画でも詳しく解説をしています。

 

診断書・各種証明書発行費用

診断書・各種証明書等発行
8,800円
英文での診断書・各種証明書等発行
1ページにつき17,600円

(税込)

男性不妊のよくある質問

  • 男性不妊は何科に行けばいいのですか?

    不妊を専門としている泌尿器科の受診をお薦めいたします。

  • 男性不妊の検査はどのようにして行いますか?

    検査は診察とエコー検査で短時間で行うことができます。

  • 男性不妊に自覚症状はありますか?

    ・精巣サイズに左右差がある(左の精巣が小さい)
    ・陰のうサイズに左右差がある(左陰嚢が腫れている)
    ・陰のうが常に垂れている(左陰嚢が垂れている)
    ・陰のう内にミミズが這っているように見える
    ・陰のう内にうどんのようなものがある
    ・陰のう表面が腫れている・デコボコしている
    ・陰のうに熱を持っている
    ・陰のうに痛みや違和感がある
    上記は、男性不妊に影響する精索静脈瘤の可能性が高いです。

  • 「男性不妊になりやすい人」はいますか?

    ・ED
    ・陰茎湾曲(彎曲)
    ・射精障害
    上記も男性不妊の原因です。

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

永尾 光一 先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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