COLUMN

男性不妊セルフチェックシート【16項目でわかる】

▼男性不妊になりやすい方の特徴、見た目や自覚症状について詳しくはこちら
https://ginzarepro.jp/column/infertility-sign/


不妊治療に取り組むご夫婦は年々増えていますが、男性側の不妊治療を積極的におこなっている方は多くありません。

しかし、WHOの調査によると、男性不妊48%、女性不妊65%、夫婦どちらもが24%と、男性側に原因がある場合が多くあります。

とは言え、いきなり泌尿器科に行って検査を受けるのはちょっと…という方もいらっしゃると思います。
このページでは、そんな方に向けて、自覚症状や普段の生活習慣などでわかる「男性不妊セルフチェックシート」をご紹介しています。

自分やパートナーが男性不妊かもしれないという向けに16項目でわかる男性不妊セルフチェックシートを動画でも解説していますので是非ご覧ください。

 

 

男性不妊・精索静脈瘤にお困りのかたへ
男性不妊の40%精索静脈瘤が原因

男性不妊の40%にある精索静脈瘤は、精巣やその上の精索部(精管、血管、神経、リンパ管などを覆う膜)に静脈瘤(じょうみゃくりゅう・静脈の拡張)が認められる症状のことを指します。一般男性の15%に認められ、男性不妊症患者の40%がその疑いであるとされています。

男性不妊セルフチェック【主要項目:8個】

チェック
項目
挿入・射精ができない
陰毛が少ない・精巣が小さい
陰嚢の腫れ・でこぼこ・熱感を感じる
陰嚢の違和感・鈍痛を感じる
陰嚢・精巣サイズに左右差がある
陰嚢が腫れた経験がある
パイプカットをした経験がある
泌尿器科的検査を受けていない

複数個当てはまる場合はリスクが高いため、専門医を受診することをお薦めいたします。

 

 

男性不妊セルフチェック【補助項目:8個】

チェック
項目
喫煙している
肥満気味
熱い湯舟・サウナに入る
ブリーフをはく
プロペシア・フィナステリド・ザガーロ・デュタステリド・筋肉増強剤の服用
精液検査しか行っていない
補助的な内服(サプリ・漢方・ホルモン薬)しか行わない
婦人科治療と補助的な内服だけでよいと思っている

こちらも複数個当てはまる場合はリスクが高いため、専門医を受診することをお薦めいたします。

 
 

チェックシートのねらい

医学的根拠が高く、根本的な男性不妊治療ができる3つの病気を早く発見して治療を開始できることを目的としてこのシートを作成しました。

 

「主要項目」については医学的根拠の高いものを中心として構成、
「補助項目」については、医学的根拠は少ないものの、原因として考えられるものを中心として構成いたしました。

 

それぞれのチェック項目の要因・可能性

 
 

主要項目

 

チェック
項目
挿入・射精ができない
性機能障害・ホルモン低下の可能性
陰毛が少ない・精巣が小さい
ホルモン低下の可能性
陰嚢の腫れ・でこぼこ・熱感を感じる
大きな精索静脈瘤の可能性
陰嚢の違和感・鈍痛を感じる
精索静脈瘤・慢性前立腺炎・慢性精巣上体炎の可能性
陰嚢・精巣サイズに左右差がある
精索静脈瘤・精巣水瘤・精巣腫瘍の可能性
陰嚢が腫れた経験がある
精巣上体炎による精路閉塞の可能性
パイプカットをした経験がある
精路閉塞
泌尿器科的検査を受けていない
10分の診察・エコーで、精巣・精管・精巣上体・精索静脈を確認

▼精索静脈瘤の治療について詳しくはこちら
https://ginzarepro.jp/sinryo/varicocele/

▼パイプカット再建術(日帰り顕微鏡下再建術で元に戻す)
https://ginzarepro.jp/sinryo/pipe-cut-reconstruction/

▼難治性EDの治療について詳しくはこちら
https://ginzarepro.jp/sinryo/%e9%9b%a3%e6%b2%bb%e6%80%a7ed%e5%a4%96%e6%9d%a5/

 
 

補助項目

 

チェック
項目
喫煙している
精巣の血流障害を招く
肥満気味
精巣の血流障害・精巣温度の上昇
熱い湯舟・サウナに入る
精巣温度の上昇
ブリーフをはく
精巣温度の上昇
プロペシア・フィナステリド・ザガーロ・デュタステリド・筋肉増強剤の服用
ホルモン変化による精液所見悪化
精液検査しか行っていない
医学的根拠が高い男性不妊の原因を見逃す
補助的な内服(サプリ・漢方・ホルモン薬)しか行わない
医学的根拠が高い男性不妊の原因を見逃す
婦人科治療と補助的な内服だけでよいと思っている
妻の身体的・精神的負担の軽減と妊娠率の向上を考慮

この記事の執筆医師

永尾 光一 先生

永尾 光一 先生

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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